タレント藤田紀子(71)が9日、日刊スポーツの取材に対し、50年近い付き合いの輪島さんをしのんだ。

初めて輪島さんと出会ったのは、元夫で05年に亡くなった貴ノ花との初デートの時、1969年のことだった。「私は松竹を辞めてフリー、親方(貴ノ花)は幕内から十両に落ちて、互いに再出発ということで紹介され、新橋の喫茶店で待ち合わせたんです。その時、親方が連れてきたのが当時は日大相撲部で、学生横綱だった学ラン姿の輪島さんでした。肩幅が広くて『衣紋掛けが来たかと思った』って笑ったのを覚えてます」と振り返った。

その後はデートする度に、輪島さんも同席した。「互いに『輪島』『満』と呼び合って、喫茶店でお話しした後にご飯を食べに行きました。支払いの時には輪島さんが貴ノ花のお財布を持って堂々と払っていました。明るい人で、面白いことを言って、いつも笑わせてくれました。同級生みたいな感じです。亡くなったと聞いても、楽しかった思い出ばかり。輪島さんがいてくれたから、私たちは結婚できたと思います」。

長男花田虎上氏(47)が3歳くらいの時には「勝(虎上氏)、連れてくよ」と声を掛けて、静岡の巡業先までリンカーンに乗せていったこともあったという。「子供が大好きで、お兄ちゃんは『輪島ちゃん』と慕っていました。最後に親しくお話ししたのは20年くらい前に結婚式でご一緒した時で、その後は15年前に対談の仕事で一緒になりました。本当に残念です」と“恩人”の死を悼んだ。 【小谷野俊哉】