大相撲の冬巡業は3日、福岡・直方市で行われた。朝稽古では大関高安(28=田子ノ浦)が、前頭正代と15番取って13勝2敗と圧倒。「攻める相撲の流れを、もう1回つくりたかったから」と、立ち合いからの突っ張りで押し出したり、左四つから寄り切ったりと、常に先手を取ることを心がけた。

また「時間がなかったから」と、待ったなしで次々と取る負荷のかかる稽古を自ら課していた。巡業初日の前日2日に、前頭栃煌山と12番(6勝6敗)取ったのに続き、精力的に汗を流した。

幕下の稽古でも、前日に続き2日連続で最高位小結の千代鳳に「この番付にいる力士じゃない」と、ぶつかり稽古で胸を出した。膝を負傷して番付を落としている実力者に「膝が悪いなら前に出る稽古をしないと」と、叱咤(しった)激励のメッセージも送っていた。

11月の九州場所は千秋楽まで小結貴景勝と優勝争いを展開したが、最後に力尽きて優勝次点となった。それだけに「やるしかない。調整とか言っている場合じゃない。休んでいる暇はない」と力説し、22日まで続く今回の巡業を、初場所(来年1月13日初日、東京・両国国技館)につなげたい強い思いをにじませた。