西十両11枚目の安美錦(40=伊勢ケ浜)は黒星スタートとなった。東十両10枚目の英乃海に、前まわしを取って下から攻める形だったが、足を滑らせた格好で引き落とされた。「(まわしは)いいところを取れたけど、右からの攻めが余計だった。左から攻めた方がよかった」と振り返った。

先場所は13日目まで1勝12敗と不振にあえぎ、14日目、千秋楽の連勝がなければ幕下陥落の危機に陥っていた。その際には、連敗からの脱出法を見つけられずに苦しんだが「(解決策は)何も答えなんて見つかっていないよ」と話した。続けて「でも気にしないで淡々と、自分のできることをやっていきたい。あまり考えすぎず、やることをしっかりとやって、結果はどうあれ、しっかりと毎日取り組みたい」と、冷静に語った。

両膝など満身創痍(そうい)の状態で土俵に上がり続けているだけに「足がついていかないのは、今に始まったことじゃない。それをカバーするために、前まわしを取っている。(今日も)いいところを取れたけどね」と、技術を出し切れずに敗れ、悔しさものぞかせた。同部屋の力士はこの日、照強が新入幕の土俵に上がり、最高位大関の照ノ富士も5場所ぶりに出場。「ようやく頑張っていこうという感じになっているので、それに乗っかっていけるように、みんなの支えになることができるようにしたい」と、前向きに話していた。