日本相撲協会は30日、夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、横綱白鵬(34=宮城野)が、都内で会見した。

3月の春場所で歴代最多42度目の優勝を全勝で飾り、今場所は東の正横綱を務める。その春場所では千秋楽の鶴竜との一番で右腕を負傷。筋断裂とあって、前日29日まで行われた春巡業では、1度も相撲を取る稽古は行っておらず「10だったものが、10には戻らないと医師には言われた」と明かした。それでも「明日でも稽古できるよう、足腰はつくってきた」と、出場に意欲を示した。

春場所千秋楽では、表彰式での優勝インタビューで観客を促して三本締めを行い、けん責処分を受けた。この日も「自分でも残念だったし、協会と相撲ファンに迷惑をかけてしまった。またゼロから勉強していきたいと思う。明日から令和。自分も変わらないといけない。新生白鵬というものを見せられればと思っている」と、反省の弁と今後に向けた思いを語った。

会見冒頭には「令和元年」と記された新番付を見ながら「貴重な番付」「一生忘れない」と、しみじみと語った。白鵬は平成最後の場所とともに、令和最初の場所での優勝を、常々目標として掲げていた。「春場所の前は昨年の九州場所で優勝した貴景勝、今年の初場所で優勝した玉鷲の2人を追いかけて稽古することができた。先場所(14勝を挙げて優勝次点)の逸ノ城と合わせて、この3人」と、2場所連続優勝へ注意している力士を挙げた。それでも「じっくりと構えて時を待つ」と、あえて目標として「優勝」の2文字を口にせず、静かに闘志を燃やしていた。