3人が6戦全勝でトップに並んでいた三段目は、西46枚目の佐田ノ輝(23=境川、モンゴル出身)が7戦全勝で優勝を決めた。

3人の中で最初に土俵に上がった西96枚目の藤乃若(24=藤島)が、序二段で6戦全勝だった元林(鳴戸)に敗れ、優勝の行方は残る2人の全勝対決で決まる一番となった。その相撲で佐田ノ輝は、東6枚目の津志田(20=時津風)を、後退しながらも柔らかい足腰でしのぎ、逆転のはたき込みで初の各段優勝を決めた。

師匠の境川親方(元小結両国)は、九州場所担当部長のため福岡に滞在中。その師匠から勝ち越しを決めた後に「ここからだ。次からが大事だ」とハッパをかけられて残り3番も白星を並べた。

初土俵から5年がたった。「自分より後から入ったモンゴル(出身)力士がササッと上がってしまった。(十両)霧馬山や(幕下)豊将龍とか…。番付を抜かれて悔しかった」と佐田ノ輝。それでも自身初となる来場所の幕下入りも確実にして「三段目に上がったときは雪駄(せった)を履けてうれしかった。幕下で博多帯を巻ける。その次は(関取として)大銀杏(おおいちょう)を」と希望に胸ふくらませる。師匠から口酸っぱく言われている「稽古はウソをつかない。苦しい時こそ頑張れ」の言葉を胸に関取の座を目指す。