大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)で綱とりに挑戦する大関貴景勝(24=常盤山)が、新十両を決めた王鵬(20=大嶽)に熱いエールを送った。

7日、都内の部屋での稽古後に報道陣の代表取材に対応。埼玉栄高の後輩で、1年半にわたって自身の付け人を務めた王鵬に「苦労もしているから、これからの伸びは違うと思う」と期待を寄せた。

8月には武隈親方(元大関豪栄道)らとともに、コロナ禍でインターハイが中止となった母校の相撲部員に反物で作製したマスクとメッセージを送って激励するなど、母校愛は強い。「地方からみんなで出てきて、埼玉栄に入ってそこで優勝したいと、中学3年生から夢を持って高校に入ってるから、それはなかなかきついものがある。かわいそうですけど、また次の目標を立てて頑張ってほしいですね」。11月場所では3学年後輩の琴勝峰と初対戦。「僕らが高校生のときに幕内でがんがん活躍している先輩と初めて戦ったときのことを少し思い出した」と、後輩の躍進を歓迎した。

中でも王鵬は初土俵から順調に出世したが、幕下上位で1年半停滞するなど苦しんでいた。「同級生が先に上がっていく中で、焦りもあったと思う。でもこれは言ってましたけど『深みが違うよ。お前が上に上がったときは。何もしないで上に上がるのと、こういうことを経験して上がるのでは』と」。精神面で助言を送ってきた。

自身は初めて綱とりに挑む初場所に向けて、この日は四股などの基礎運動で体を鍛えた。18日から両国国技館内の相撲教習所で行われる合同稽古にも「行くつもりでいる」と参加の方針。「それまでに体をつくっておかないとけがする。戦える体にしておきたい」。 国内の感染状況も注視する。「ちょっとコロナに慣れてる部分もある。気をつけないといけない。自分がかかるとみんなに迷惑かかる。集団で稽古してるので」。感染対策を徹底しながら、調整を重ねていく。