日本相撲協会は21日、大相撲名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付を発表し、新入幕の一山本(27=二所ノ関)が東前頭17枚目に就いた。千葉・船橋市の部屋でオンラインでの会見に臨み「今年の新年に目標を掲げたときに『新入幕』と立てていたので、それを達成できたことはうれしい」と喜びを語った。

再十両となった春場所から2場所連続で2桁白星を挙げたが、先場所の番付は東十両8枚目。番付運にも恵まれ「最初はウソかなと思った。自分では予測もしてなくてびっくり」と目を丸くしていた。

2年前の19年名古屋場所で“脱サラ”から新十両昇進を果たして話題となった。中大時代に全国学生相撲選手権16強などの実績を残して、卒業後は地元北海道の福島町役場に就職。16年9月に制度が変更した年齢緩和制限を利用し、役場を退職して17年春場所で初土俵を踏んだ。入門から約4年で幕内力士となり「まだ夢の半ばなので良かったとはいえないけど、今のところは順調にはきているのかなと思う」と話した。

187センチ、145キロの体格を生かした突き押し相撲が持ち味。幕内で対戦したい力士には、同学年の小結大栄翔を挙げた。アマチュア時代の対戦はない。「(アマチュア時代から)向こうは常にトップレベル。僕はそんなことなかったので、当たることは一切なかった」。

師匠の二所ノ関親方(元大関若嶋津)は来年1月に65歳となり、日本相撲協会の定年を迎える。「(新入幕で)少しではあるけど恩返しができたのかなと。まだまだだと思うけど、これからちょっとずつ返していければ」。新入幕の場所の目標は勝ち越し。「上がったのがたまたまと言われないように、しっかり勝ち越して場所を終えられればいい」と意気込んだ。