西前頭4枚目の隆の勝が一山本を押し出し、2桁10勝目をあげた。立ち合いを制した隆の勝は引いてきた相手を一気に押し出した。ただ1人2敗を守り、単独トップで残り3日。初優勝も現実味を帯びてきた。

東前頭6枚目の宇良が大関貴景勝を破り、1差3敗を守った。貴景勝は6勝6敗の五分となった。

西前頭12枚目の佐田の海も志摩ノ海を押し出し、3敗を守った。

横綱照ノ富士は関脇若隆景をきめ出して3敗を死守。6敗目の若隆景は今場所の2桁勝利がなくなった。

大関御嶽海は関脇阿炎に押し出され、5勝7敗と後がなくなった。

すでに7敗を喫していた大関正代は翔猿と同体取り直しの激戦の末、押し出しで破り踏みとどまった。


<優勝争い>

▽2敗 隆の勝

▽3敗 照ノ富士、宇良、佐田の海


12日目の取組の模様を写真で振り返ります。


大相撲夏場所 全取組結果

隆の勝完勝で10勝目 初V向け単独トップ守る「気持ちが違うんじゃ」八角理事長が好調要因分析

照ノ富士“綱の意地”先場所V若隆景をきめ出し1差3敗死守「自分のことだけで精いっぱい」

貴景勝自滅…物言いつくも宇良1差3敗守る「自分は何も考えていないんで」無欲で13日目阿炎戦

大関陣3人合計20敗 貴景勝6敗、7敗同士の御嶽海と正代13日目に直接対決

八角理事長 7敗同士の大関戦実現に落胆「負けた方が負け越し。寂しいよね」

幕下ではモンゴル出身の欧勝馬と35歳北播磨が全勝/夏場所各段優勝のゆくえ

日本相撲協会が巡業再開と日程発表 首都圏5会場と通年より規模を縮小


幕内


王鵬(5勝7敗)押し出し竜電(8勝4敗)
王鵬(右)を押し出しで破る竜電(撮影・中島郁夫)
王鵬(右)を押し出しで破る竜電(撮影・中島郁夫)

千代大龍(7勝5敗)押し倒し(5勝7敗)

☆輝 今日は落ち着いて立ち合い当たれた。変に力まずに(相手の変化に)対応できた。

千代大龍(左)を押し倒しで破る輝(撮影・中島郁夫)
千代大龍(左)を押し倒しで破る輝(撮影・中島郁夫)

碧山(8勝4敗)突き出し東龍(5勝7敗)

☆碧山 落ち着いて自分の相撲がとれてよかった。あまり余計なことを考えず相撲に集中してきた。

東龍(左)を突き出しで破る碧山(撮影・鈴木正人)
東龍(左)を突き出しで破る碧山(撮影・鈴木正人)

明生(6勝6敗)寄り切り千代翔馬(5勝7敗)

☆明生 頭つけて相撲をとれました。明日の相撲にまた集中してやっていきたい。終わるまで気を引き締めて土俵に上がりたい。

千代翔馬(上)を寄り切りで破る明生(撮影・中島郁夫)
千代翔馬(上)を寄り切りで破る明生(撮影・中島郁夫)

隠岐の海(6勝6敗)押し出し豊山(5勝7敗)
豊山(左)を押し出しで破る隠岐の海(撮影・中島郁夫)
豊山(左)を押し出しで破る隠岐の海(撮影・中島郁夫)

琴勝峰(6勝6敗)寄り倒し翠富士(6勝6敗)

☆琴勝峰 立ち合い、右入って。その後もあせることなく攻めることができた。連敗止められたのはよかったが、変わらず1日一番でいきたいと思います。

翠富士(右)を寄り倒しで破る琴勝峰(撮影・中島郁夫)
翠富士(右)を寄り倒しで破る琴勝峰(撮影・中島郁夫)

妙義龍(5勝7敗)寄り切り栃ノ心(8勝4敗)

☆栃ノ心 (勝ち越しは)良かった。気持ちいい。あと3日あるので、そこで1つ、2つ勝てればいいと思っている。できればね。

妙義龍(右)を攻める栃ノ心(撮影・鈴木正人)
妙義龍(右)を攻める栃ノ心(撮影・鈴木正人)

志摩ノ海(7勝5敗)押し出し佐田の海(9勝3敗)

☆佐田の海 先手を取れて、足も前に出ていた。先手を取って攻め込みたいと思っていた。(師匠の境川親方がNHKの解説で相撲内容を評価)師匠に褒めてもらうのが一番うれしいので勝てて良かった。

志摩ノ海(右)を押し出しで破る佐田の海(撮影・中島郁夫)
志摩ノ海(右)を押し出しで破る佐田の海(撮影・中島郁夫)

荒篤山(2勝10敗)突き倒し照強(4勝8敗)

☆荒篤山 中に入られたら勝てない。中に入られないようにいきました。

荒篤山(左)は突き倒しで照強を破る(撮影・小沢裕)
荒篤山(左)は突き倒しで照強を破る(撮影・小沢裕)

錦木(6勝6敗)上手投げ琴恵光(5勝7敗)

☆錦木 落ち着いて相撲がとれたと思います。四つになれたので、自分から攻められたのもよかった。とりあえず五分に戻った。最低でも2番勝って勝ち越したいと思います。

錦木(左)は上手投げで琴恵光を破る(撮影・小沢裕)
錦木(左)は上手投げで琴恵光を破る(撮影・小沢裕)

一山本(8勝4敗)押し出し隆の勝(10勝2敗)

☆隆の勝 突き放していく相手だったので、立ち合いから先手を取って自分からいこうと思いました。(10勝目を挙げたが)先場所負けている分、勝たないといけない。周りの声は気にせず、マイペースにやれています。

一山本(右)を押し出しで破る隆の勝(撮影・鈴木正人)
一山本(右)を押し出しで破る隆の勝(撮影・鈴木正人)
懸賞金を手にする隆の勝(撮影・小沢裕)
懸賞金を手にする隆の勝(撮影・小沢裕)

北勝富士(3勝9敗)送り出し遠藤(5勝7敗)
北勝富士(左)を送り出しで破る遠藤(撮影・中島郁夫)
北勝富士(左)を送り出しで破る遠藤(撮影・中島郁夫)

霧馬山(8勝4敗)寄り切り若元春(7勝5敗)
霧馬山(左)を寄り切りで破る若元春(撮影・中島郁夫)
霧馬山(左)を寄り切りで破る若元春(撮影・中島郁夫)

高安(4勝8敗)突き落とし宝富士(2勝10敗)

☆高安 我慢できました。内容はあれですけど、勝ちにこだわってやりました。来場所に向けてベストを尽くせたと思う。

宝富士(右)を突き落としで破る高安(撮影・中島郁夫)
宝富士(右)を突き落としで破る高安(撮影・中島郁夫)

豊昇龍(7勝5敗)押し出し琴ノ若(6勝6敗)

☆豊昇龍 自分を信じて頑張っていきました。攻めようという気持ちだけ。1日一番を大事にいきます。(自信は)自信になるが、相撲のことしか考えていないんで。

琴ノ若(左)を押し出しで破る豊昇龍(撮影・中島郁夫)
琴ノ若(左)を押し出しで破る豊昇龍(撮影・中島郁夫)

玉鷲(6勝6敗)引き落とし大栄翔(8勝4敗)
玉鷲(右)を攻める大栄翔(撮影・鈴木正人)
玉鷲(右)を攻める大栄翔(撮影・鈴木正人)
大栄翔(左)は玉鷲を引き落としで破る(撮影・小沢裕)
大栄翔(左)は玉鷲を引き落としで破る(撮影・小沢裕)

翔猿(6勝6敗)押し出し正代(8勝4敗)

☆正代 相手の立ち合いに焦ってしまったのが良くなかった。(取り直しの一番は)2番連続で変化気味の立ち合いはないかなと思って思いっきりいかせてもらった。土俵際でなんとか組みとめることができたけど、足元に余裕を作ったほうが良かった。(3大関の成績にファンは物足りなさを感じると受けることに)今場所はそういう場所なのかなと思っていますが、あまり悩まずにできたらなと思います。

取り直しとなった正代(右)と翔猿の取り組み(撮影・中島郁夫)
取り直しとなった正代(右)と翔猿の取り組み(撮影・中島郁夫)
正代と翔猿との一番で物言いが付き協議する審判団(撮影・鈴木正人)
正代と翔猿との一番で物言いが付き協議する審判団(撮影・鈴木正人)
翔猿(左)を押し出しで破る正代(撮影・中島郁夫)
翔猿(左)を押し出しで破る正代(撮影・中島郁夫)

御嶽海(5勝7敗)押し出し阿炎(6勝6敗)

☆阿炎 しっかり当たれたし、引きにも対応できた。すごく集中して取れた一番でした。(大関御嶽海に白星は)自信につなげる。勝ち負けよりも挑んで自分が取れたことが良かった。明日からも一番、一番、自分の相撲を集中して出し切ればいいかなと思います。

御嶽海(左)を押し出しで破る阿炎(撮影・中島郁夫)
御嶽海(左)を押し出しで破る阿炎(撮影・中島郁夫)

宇良(9勝3敗)突き落とし貴景勝(6勝6敗)

☆宇良 (大関に)勝ててよかったです。自分は何も考えていないんで。(優勝争いの)現実味はないです。

仕切り線の後方から前に進んで貴景勝に対する宇良(撮影・中島郁夫)
仕切り線の後方から前に進んで貴景勝に対する宇良(撮影・中島郁夫)
貴景勝(左)ののど輪をこらえる宇良(撮影・中島郁夫)
貴景勝(左)ののど輪をこらえる宇良(撮影・中島郁夫)
宇良は貴景勝(左)を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
宇良は貴景勝(左)を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
宇良は貴景勝(左)を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
宇良は貴景勝(左)を突き落としで破る(撮影・小沢裕)
貴景勝と宇良の一番で物言が付き協議した結果、軍配どおり宇良の勝ちをアナウンスする佐渡ケ嶽審判長(撮影・小沢裕)
貴景勝と宇良の一番で物言が付き協議した結果、軍配どおり宇良の勝ちをアナウンスする佐渡ケ嶽審判長(撮影・小沢裕)

照ノ富士(9勝3敗)きめ出し若隆景(6勝6敗)

☆照ノ富士 (立ち合いは)落ち着いて正面においていこうと思っただけで。落ち着いてとれたかなと思います。体の判断に任せていた感じ。(先場所の優勝力士だが)変わることなく落ち着いていくことだけ。自分のことだけで精いっぱいなので。

★若隆景 (横綱との対戦だったが)いつも変わらず下からという意識でいった。最後つかまってしまったの。まだ3日あるので、しっかり相撲を取りたい。

照ノ富士(右)はきめ出しで若隆景を破る(撮影・小沢裕)
照ノ富士(右)はきめ出しで若隆景を破る(撮影・小沢裕)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる照ノ富士(撮影・鈴木正人)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる照ノ富士(撮影・鈴木正人)