横綱初挑戦で大善戦の上、珍事「まわし待った」も経験した東前頭4枚目の若元春(28=荒汐)は「いやもう出し切りました。それだけですね」と息をはきだした。

鋭い立ち合いから左を差し、右上手をがっちり取って照ノ富士を苦しめた。2分を超える大相撲の末に寄り切ったと思ったら「まわし待った」。その場面を「全然分からなかったですね。体が離れた時に横綱が不思議そうな顔をしていた。そこで何かあったのかな? と気づいた感じですね」。

同じ体勢から異例の再開後は「気持ち切り替えて頑張ろうという感じでした」と言ったが、「体力的に限界だったというのもあって長い相撲は厳しいなと思っていたので攻めていった」。最後まで攻めを貫き、横綱の下手投げに屈した。

大きな爪痕を残した横綱初挑戦だが、「いっぱいいっぱいで。ただ横綱が正面にいるのはすごいことだなと」と感動があった。

◆まわし待った 力士のまわしが緩んだ時、行司が勝負を止めることができる。通常は静止した体勢のまま結び直すが、再び体勢を作り直すという事例は過去に例がないと思われる。勝負が長引いて決着が付かない「水入り」の場合は、1度土俵下に降りて、再開時は中断前の体勢から行う。

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