21年学生横綱で幕下15枚目格付け出しの川副(23=宮城野)は、大関経験者で東幕下15枚目の朝乃山(28=高砂)に寄り倒しで敗れた。ほろ苦いデビュー戦となったが、「一番最初に朝乃山さんとやれたんで、すごい良い経験になりました」と前を向いた。

立ち合い真っ正面から当たって左前みつを探ったが、うまく切られて主導権を握れない。土俵際で粘るのがやっと。師匠の元横綱白鵬の宮城野親方から「思い切りやってこい」とアドバイスを受けて臨んだが、「自分の相撲の持ち味が全然出せなかった」と悔しさが残った。「圧力がすごかったし、うまかった」という大関経験者の実力に舌を巻くしかなかった。

さらに「学生の時も両国(国技館)で相撲を取っていたんですけど、大相撲の土俵は小さく感じましたね」と振り返り、アマチュアとの違いを実感。そう感じた訳を探ると「たぶん朝乃山さんのオーラや圧があったのかな。(土俵が)狭いなという感覚でした」と答えた。

師匠から「小さい白鵬」とも称される逸材。この敗戦を糧に奮起を誓う。「やっぱりまずは関取になり、最終目標は入ったからには横綱を目指して頑張りたいです」と力強く意気込みを口にした。