大相撲の平幕の翔猿(30=追手風)が、「猿」から「ゴリラ」へとパワーアップを期す。10日、千葉ポートアリーナで行われた秋巡業で取材に応じた。11月の九州場所で新三役が確実視される。これを受け、「三役からが力士として一流かなと思います。しっかりと定着したい」と、早くも思いを口にした。自慢の押し相撲に磨きをかけるべく「翔猿からゴリラになるように、もっとパワーをつけたい」と意欲も見せた。

東前頭筆頭として臨んだ先場所は、横綱照ノ富士から初金星を手にするなど10勝を挙げて殊勲賞を獲得した。「上位で勝ち越せたのは力がついたと実感しています」と振り返った。

場所後のファンの反応についても違いを実感しているという。「正直驚いています。応援してもらっている感、半端ないです」と興奮しきり。「通ると囲まれる。巡業で見ていて囲まれて。うわ~、いいなと思って憧れだったんですけど、最近ファンサービスが怖く感じてます。ありがたいですけど、永遠に終わらない」と人気者の宿命を実感する日々だという。

確実視される新三役にも、「ここからが僕の力士人生のスタート」と慢心はない。大関御嶽海や平幕の北勝富士らと同じ1992年(平4)生まれ。ずっと対抗心を燃やしてきた。「入門してから、ずっと上でやっているのを見てきた。自分も上に行きたいなと思っていた」。

押す力に、磨きをかける。「もっともっとパワーをつけていきたい。翔猿からゴリラになるような。昨日も小さい子から『ゴリラっぽい』と言われたので、だんだんと近づいてきたのかな」。信じた道を突き進み、九州の地でも場所を盛り上げる。【平山連】