角界きってのヤクルトファンが、2連覇を狙うツバメ軍団にエールを送った。大相撲の平幕佐田の海(35=境川)が28日、群馬・桐生市内で行われた秋巡業で、ヤクルト-オリックスで争われている日本シリーズの熱戦について「いち野球ファンとして、こんなに締まったゲームばかりする日本シリーズは面白いです」と興奮交じりに語った。

ホテルの自室でくぎ付けになって観戦した27日の第5戦。ヤクルトは9回にオリックス吉田正尚外野手(29)に劇的サヨナラ弾を打たれて、逆転負け。2勝2敗1分と星を五分にされた。

この悔しさをかみしめながらも「完璧に打たれました。エグかったですね」と29歳のオリックスの主砲をたたえた。「流れが向こうに行きかけている」と警戒するが、移動日をはさみ続く29日の第6戦からは再び本拠地の神宮に戻る。「次はホーム。勢いが戻ると思います」と巻き返しを期待した。

西前頭5枚目として臨んだ九州場所は9勝6敗と勝ち越し。勢いそのままに場所後も、同部屋の平幕の平戸海や妙義龍と稽古を重ねて順調な仕上がりを見せる。

熊本出身としていつもよりさらに応援を感じるという九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)。「土俵入り、取り組みのときの声援だとか、そういう大きさを、どの場所よりも感じる。気合が入る。勝ち越しを目指してやりますけど、自分らしい早い攻めの相撲を見せられたら」と抱負を述べた。【平山連】