大関経験者で東十両筆頭の朝乃山(29=高砂)が、1敗を守って9勝目をあげた。十両の1敗は逸ノ城と2人だけとなった。

小兵の炎鵬と約3年ぶりの対戦だった。「過去は過去なので、土俵の上では思い切り相撲をとるだけでした」。食い下がられて粘られたが、落ち着いてさばき、最後は体を生かして左から抱え込んで寄り倒した。

「立ち合い、踏み込んだつもりが踏み込めず、前みつを取られて相手の形になった。その後は落ち着いて脚を運べたと思う」

4日目に逸ノ城との幕内優勝経験者対決に敗れたが、その後は白星を重ねた。9日目に狼雅を破って勝ち越しを決め、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)での再入幕を確実にした。

ここから星数を重ねていけば、来場所の番付も上がる。ただ、朝乃山は「目の前の一番に集中して自分の相撲をとりたい。星勘定は気にせず、楽しんで相撲をとりたい」と自らに言い聞かせるように言った。