4場所連続休場中の横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)が、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)出場への強い意欲を示した。

2日、三重・伊勢神宮での春巡業初日に参加。昨年10月の秋巡業以来、半年ぶりの巡業参加で、取組は行わなかったが、伊勢神宮内宮、神宮相撲場と、2カ所で土俵入りを行った。

昨年10月に手術した両膝には、分厚いサポーターが巻かれたままだが、この1年を振り返り「休場が続いて、思い通りの結果を出せなかったけど、体を追い込んできた。次に向けて、この巡業で頑張っていこうと思っています。稽古もだけど、お客さんと触れ合うとか、相撲を身近に感じてもらいながら、自分なりにできることを精いっぱいやって、5月場所に臨みたいと思います」と明言した。

3月の春場所では連日の満員御礼で、この日の巡業初日も大勢の観客が駆けつけた。そんな中で、夏場所でのファンに向けての思いを問われると「一生懸命頑張りますので待っていてください」と力説した。

両膝の状態については「少しずつですけど、元に戻っているので、いい方向にいっているんじゃないですか。順調じゃなかったら巡業も出られないので」と、状態上向きを実感している。春場所中も「毎日、朝(土俵に)降りて、夕方から筋トレというのは続けてやっていました」という。計画などは未定だが、春巡業中に稽古や取組も行っていくつもりだ。

最後には、夏場所に向けた不安要素を問われると「不安があったら、出るという発言はしない」と、きっぱりと話した。途中休場した昨年9月の秋場所以来、8カ月ぶりの本土俵への強い思いと、順調な回復ぶりをうかがわせた。