大相撲の平幕佐田の海(35=境川)が、コロナ禍で磨きをかけた思考力で夏場所(14日初日、東京・両国国技館)に挑む。7日、部屋での稽古で平戸海や妙義龍ら関取衆と9番取り、「体の張りは悪くない」と順調な仕上がり。11勝を挙げて敢闘賞を獲得した昨年の同場所の再現を狙う。

35歳のベテランは、今も強さを追い求めて考えることを怠らない。きっかけはコロナ禍。社会が停滞し移動も行動も制限がかかる不自由な環境が、逆に「自分で考えることが身についた」という。体の使い方を学ぼうと柔術を教わったり、空手のチャンピオンから話を聞いたり。良いと思えばさまざまなことを取り入れ「コロナというマイナスな期間でも、プラスにも捉えられた」と受け止める。

養った考える力は、今はっきりと武器になっている。「若いときに聞いても気がつかなかったことが、今はかみくだけることだってあるんですよね。これってどういうことなんだろうと考えるんです。何かヒントはないかといつも考えてます」。東前頭8枚目として臨む夏場所。「去年と同じく調子が良く、場所に入りたい」と意気込んだ。【平山連】