元朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(42)が、モンゴル出身横綱の後輩にあたる鶴竜親方の断髪式に駆けつけ、はさみを入れた。

現役時代の「朝青龍明徳」として名前が読み上げられると、会場は大歓声に包まれた。金髪、金縁めがね姿で、はさみを入れると、鶴竜親方の耳元で労をねぎらう言葉をかけ、左ほおにキス。大きな拍手が送られた。さらに土俵を降りると、手を振って歓声に応え、さらに大歓声を呼ぶ、変わらぬ存在感を示していた。

大歓声で迎えられたことには「うれしかったね。久々で。来てよかった」と、満面の笑みで語った。久々に両国国技館の本土俵に立ったことには「ちょっと緊張しましたね。フラフラきそうな感じだった。なじんだ場所なんで、ご無沙汰で、よかったです。久々に両国に来てよかったなと思います」と、さまざまな思い出がよみがえってきた様子だった。

報道陣には約20分、語り続けた。鶴竜親方からは、母国モンゴルで、この日の招待状を手渡されたという。「ちゃんと来てくれたんでね、モンゴルで。それは、やっぱり行かないとね。よくできているなと思いました。いい親方になると思いますよ」と、まじめな鶴竜親方の人間性をほめた。

さらに「よく頑張って、横綱までね。自分の後(に昇進した横綱の土俵入り)は不知火(型)が多かったけど、僕と同じ雲竜(型)だったので、何か近い感じがあった。あれだけのまじめさがあって、よく頑張って頂点までいったということは、本人の真摯(しんし)な努力。素晴らしい活躍をしたと思いますよ」と、絶賛していた。

現在は138キロで「だいぶダイエットして鍛えている。無理に食べずに運動している」と、ワイシャツがはち切れんばかりの肉体を維持している。「マウンテンバイクでモンゴルの大草原を走る」ことが、趣味と筋肉質な肉体維持につながっているようだ。

おいの関脇豊昇龍は、次の名古屋場所(7月9日初日、ドルフィンズアリーナ)が大関とりの場所となる。おいの現状については「いい相撲を取っている。安定してきた感じ」と、高く評価していた。「僕は大関に昇進したのが名古屋。(今年の名古屋場所後)めでたいことがあれば、流れとして、ね」と、おいが大関昇進となれば、駆けつけたい胸中ものぞかせていた。