優勝争いで再び単独トップに立った錦木は、腰の重さや体の強さに頼るだけでなく、本当に考えて相撲を取っています。差し身のうまい遠藤を相手に、差されないように当たってから間合いを、うまく空けていました。これでは遠藤は何も出来ません。一生懸命に考えている姿勢が今場所の好成績につながっています。

錦木が脇の甘さを直したことは、5日目の評論で触れました。直したといっても相手によっては防げない場合もあります。実際にその後に何番か、その脇の甘さをつかれて外四つで取る相撲がありました。錦木が考えて相撲を取っていると思うのは、その外四つの相撲です。ただ単に引きつけるのではなく、自信を持って前に出ていることに「考えて取っているな」と感じるんです。外四つになるということは自分の弱みをさらすということ。それを逆手に取るかのように、重い腰と腕力で引きつけて、逆に強みに変えています。脇の甘さを何とか直そうと努力し、もしそうなってしまった場合でも、何か新しい強みを見つけよう-。そんな相撲に対する前向きな姿勢が今場所の錦木からは感じられます。

ただ12日目に対戦する湘南乃海は、大きな体です。いくら何でも外四つになってきめるのは難しいと思います。そんな相手に、どう考えて戦うのか、そこがまた楽しみです。(日刊スポーツ評論家)