大相撲で大関経験者の朝乃山(29=高砂)が、ご当所で右足親指を痛め、地元ファンをヒヤリとさせた。

27日、富山・氷見市で行われた夏巡業最終日に参加。朝稽古の申し合いで、勝ち残りの前頭高安に指名されて土俵に入ると、その高安、さらに小結琴ノ若、関脇若元春を破って3連勝した。続いて、7月の名古屋場所では初日に敗れていた前頭明生を指名。けんか四つの相手を、得意の右四つに組み止めたが、相手の下手投げに前のめりに倒れ込んだ。その際に右足親指を痛め、なかなか立ち上がれず、しばらくうずくまった。朝稽古中に土俵に戻ることはできず、土俵下で患部を気にするしぐさを見せていた。

それでも、約1時間半後に報道陣に対応した際に「大丈夫です」と、軽傷を強調した。事実、その後は中高生の稽古に胸を出したり、土俵入りでは笑顔で手を振ったり、番外取組を含む取組2番をこなしたりと、終始元気な姿を披露。質問コーナーでは「好きな女性のタイプは?」と問われて「富山県民です」と答え、場内を盛り上げる余裕も見せていた。握手会もこなし「握手するたびに『応援しています』や『頑張って』と言っていただき、うれしかった」と感謝。25日は富山・黒部市、26日は隣接する石川県の金沢市と、北陸地方での3日間の巡業で活力を得た様子だ。