右膝の大けがで3場所連続休場中の元関脇で十両の若隆景(28=荒汐)が、再起へ着々とステップを踏んでいる。30日、都内の部屋で稽古した。今月に入ってから相撲を取るなど強度が高い稽古に移り、引き続いてこの日も三段目の力士と相撲を取って調整。「1日、1日でよくなるけがではないので、1つずつ積み重ねて良くなるようにしていけたら」と話した。

3月の春場所13日目の琴ノ若戦で右膝を負傷し、14日目から休場。4月には右膝靱帯(じんたい)の再建手術を受けて5月の夏場所を全休した。続く7月の名古屋場所前には日本相撲協会に「右膝前十字靱帯(じんたい)損傷の術後、現在通院加療継続中で今後約3カ月間の加療を要する見込み」との診断書を提出し、同場所も全休を余儀なくされた。

当初は「歩けなかった」というが、「できることを一生懸命にやるだけ」と腐ることなくリハビリに取り組んできた。その間も相撲を取る日を心待ちにしてきた。だからこそ、実際に稽古場でそれが実現した時には喜びがひときわ大きかったようだ。

師匠の荒汐親方(元前頭蒼国来)も「順調にきている」と評し、復活に向けた歩みを見守っている。東十両7枚目として臨む秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)について出場するどうかについては明らかにしなかったが、若隆景は「今やれることをやるだけです」ときっぱり。これまでと変わらず、一歩ずつ段階を踏んで再起を期す。【平山連】