ウクライナ出身の安青錦(あおにしき、19=安治川)が前相撲デビューを果たし、一番相撲で山田(伊勢ノ海)を寄り切った。アマチュア時代を最後に約2年ぶりの実戦という中で緊張したというが、右上手を引きながら頭をつけて前に出る盤石の攻めで快勝。「本当にうれしい」と憧れの両国国技館で相撲が取れる喜びをかみしめた。

7歳から相撲を始め、19年には相撲の世界ジュニアで3位に輝いた。もともと相撲界に入りたい夢を持っており、昨年4月に来日。当時の体重は100キロもなかったというが、関大相撲部の山中新太さんと同居してアマチュア相撲界で稽古を積みながら増量。縁あって昨年12月に安治川部屋の門をたたいた。

7月の名古屋場所の新弟子検査を唯一受検し、180センチ、125キロで体格基準(身長167センチ以上、体重67キロ以上)を楽々とパス。内臓検査も合格して興行ビザも発行され、今場所で前相撲の舞台に立った。

この日臨むに当たって、師匠の安治川親方(元関脇安美錦)や、戦火の母国を離れてドイツで暮らす両親からも連絡があった。応援してくれる周りの支えを実感しているからこそ、早く期待に応えたい一心だ。ウクライナ出身初の関取になった十両の獅司(雷)と比べられることもあるが、「体つきも違うから」と意に介さない。憧れの力士でもある師匠は21歳で関取の座をつかんだことを念頭に、「22歳までに関取になりたい」と目標を掲げた。【平山連】