横綱昇進がかかる大関霧島(27=陸奥)が、幕内自己最多を更新する12連勝を飾った。昨年の九州場所で優勝争いを演じた熱海富士を寄り切り3勝目。先場所から続く連勝記録を伸ばした。3連勝は他に大関豊昇龍、関脇琴ノ若、朝乃山、島津海の5人となった。2日目に早くも土が付いた横綱照ノ富士は阿炎をとったりで下し、連敗を逃れた。

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崩れない。立ち合いで霧島は熱海富士の予想以上に低く馬力ある当たりに引いてしまう。土俵際まで寄られる場面もあったが「考えてきたな」と焦らない。体の反応に身を任せ、左腕で相手の右をすくって体を入れ替える。すかさずもろ差しとなって、力強く寄り切った。初日から3連勝、先場所7日目から自己最多を更新する12連勝となった。

「稽古をしてきたからこそ、土俵際でも残せて白星がつかめる。自分の相撲を信じて取っていく」。21歳の熱海富士とは、優勝争いの首位で並んだ先場所の昨年九州場所14日目も完勝。今場所も劣勢の場面から高い修正力で、番付の違いを見せつけた。

「ユウト、きょう前相撲か~」。この日の朝稽古後、そうつぶやいた。かつて付け人を務めた16歳の竹内を気に掛けた。優勝した先場所。朝稽古後に竹内とたわいのないやりとりでリラックスすることがルーティンになっていた。時には取材記者を交えて腕相撲や手押し相撲で盛り上がった。重圧の優勝争いの中で、貴重な息抜きになっていた。

その竹内は昨年末に独立した元横綱鶴竜の音羽山親方とともに部屋を去った。今場所は再出世を果たすべく前相撲に挑んでいる。部屋こそ別々になったが、元付け人への思いは変わらない。自らに憧れる16歳の励みになるためにも負けられない。「一番、一番が大事ですから」。土俵人生最大の挑戦は始まったばかり。さまざまな人の思いも背負いながら綱とりへ1歩1歩、前進していく。【平山連】

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