大関経験者で西十両13枚目の朝乃山(31=高砂)が、連敗を喫することなく、白星を先行させた。初顔合わせの風賢央の突き、押しに立ち合いから防戦一方。相手の体が前のめりに伸びきったところで、右足だけ俵に残しながら、土俵際ではたき込んだ。物言いがつく際どい勝負となったが、行司軍配通り、勝ち名乗りを受けて2勝1敗とした。
「相撲内容は最悪。最後は俵に右足がかかっていた感覚はあったけど、内容はダメ。(相手は)押し相撲なので、出足を止めないとって思っていたけど、受けすぎた。自分から攻めないと」と、反省の弁を並べた。物言いの際には「(同体)取り直しか負けか、勝ちか…」と、全ての可能性があると想定し、気を緩めることなく土俵下で審判の親方衆の協議を待った。「内容が悪くても負けるのと勝つのとでは違う。これからは負けるとしても前のめりに、前に出ることを意識したい」と、白星を先行させたからこそ、目先の1勝を目指すのではなく、内容を求めていくと誓った。
前日15日の2日目に、新十両の西ノ龍に敗れた。前日は立ち遅れた形で、相手が得意とする左四つに組まれた。1度は寄り立てたが、得意の右四つではなく、引いた上手も力を発揮する左ではなく右だったため、土俵際でスルリと体勢を入れ替えられ、最後は上手投げで土俵下まで転がされた。取組後に「立ち遅れて棒立ちになった時点で負け。今までと違って(相手が立ち合いで)両手をついて、バーンときて、それに対応できなかった自分が悪かった」と話したように、相手の作戦勝ちだったと振り返った。
それまでの西ノ龍の立ち合いは、一方の手を先につき、タイミングを見計らって、もう一方の手をつくことが多かった。それが前日は、いきなり両手をつき、朝乃山が一呼吸遅れて立っていた。鋭い踏み込みで上体を起こされた時点で、自ら分析した通り、大勢は決していた。もちろん油断したわけではないが、立ち遅れの最大の理由「先入観」を悔やんだ。対戦経験が少なく、相手を研究してきたことが、かえって臨機応変な対応の足かせとなった格好だった。
2度目の対戦だった西ノ龍戦の黒星を、初顔合わせとなったこの日の教訓にするはずだった。相手の研究はしても、過去の取り口にとらわれない。そう思って臨んだはずだったが“関取仕様”の相撲勘を取り戻すには至らなかった。2日目に期した1敗と、この日の防戦一方の取り口を糧に、4日目からの再出発の決意を強めていた。

