[ 2014年7月14日20時59分 ]

 4度目のW杯制覇でドイツのサッカー界は経済的にも潤いそうだ。

 ドイツ・サッカー協会(DFB)は放送権料や入場券収入で約4000万ユーロ(約56億円)、スポンサー料で約6000万ユーロ(約84億円)の年間収入があるが、日本円で35億円を超すW杯の優勝賞金は魅力的な臨時収入となる。

 ドイツではW杯や欧州選手権などの収益が各クラブにも分配される。今大会は1人当たり約4000万円とされる選手ボーナスを差し引いても、大きな黒字が期待できる。国際大会で代表が上位に進めば、各クラブも潤う好循環が成り立つ図式といえる。

 ただ、優勝のためのコストは決して安くない。元代表FWの協会理事で、経営学修士のビアホフ氏(46)は大会前に「今回の費用はDFBでW杯史上最高の2200万ユーロ(約30億円)に上る」と経済誌に語った。大会中の拠点は、ドイツの投資グループがバイア州の海岸に新築した広大なリゾート施設を丸ごと借り切った。「小さな村のようで最高の環境。ホテルでは全く違ったはず」(ミュラー)と好評だったが、費用もかさんだとみられる。

 DFBのメーンスポンサー、アディダスなどとの契約は2018年まで。W杯のタイトル獲得で、ビアホフ氏が「可能性が広がる」と話すように、今後の交渉で有利に働くのは間違いない。