[ 2014年6月2日7時30分

 紙面から ]ヘディングのみのミニゲームでクリアする岡崎(左)(撮影・狩俣裕三)

 積み上げてきたものを出せば勝てる!

 日本代表FW岡崎慎司(28=マインツ)が5月31日(日本時間1日未明)、直前合宿地の米クリアウオーターで合同取材に応じ、W杯ブラジル大会(12日開幕)へ向けた強い思いを口にした。10年W杯南アフリカ大会から4年を経て体感した日本代表の成長。その自信の根拠。4年前との違い…。今や日本の不動の点取り屋となった男が胸中を語った。

 「侍」とも称される点取り屋が、率直に今の胸のうちを明らかにした。4年前を知るからこそ思う日本の成長、その根拠。岡崎は静かに、そして確固たる自信を浮かべながら話した。

 岡崎

 昨年10月(の東欧遠征)で負けた時にすごく危機感を持たないといけないと話し合った。その時よりは今の方が良いけど、それでも何となく試合で勝っているから良しとするのではなく、危機感をもってより細かい部分を突き詰めている。チームとして、このままじゃいけないって。

 4年前。絶不調に陥った岡田ジャパンは、W杯南アフリカ大会の直前合宿地スイスで選手ミーティングを行い、戦術の大幅変更の転機となった。DF闘莉王の「日本ははっきり言って弱い。下手くそなんで下手くそなりの戦い方がある」という言葉が飛び出した。

 岡崎

 闘莉王さんの言った「下手」というのもチームの気持ちを上げるための言葉だったと思う。前回は最後の方(W杯直前)でチームとしての形もなくし、自信も失っていた。今回はそこまで悪くないし、自分たちの力を出せば勝てるという自信の方がある。

 「慢心ではない」と言う自信の根拠。それは、4年間で飛躍的に増えた海外組の数にある。

 岡崎

 相手が強いというのは、テレビで見て思うのではなく、みんなが海外でプレーしているので実際に相手の選手と対戦して肌で感じて分かっている。だから、フワッとしたものでなく、現実的に見た上で自分たちの力を出せば勝てる、出さなければ負けると。

 個人個人が4年で積み上げた経験値が、チームとしてのベースを上げた。「4年前、あの場にいられて良かった。ベテランが(控えで)悔しい思いをしながらもチームを引っ張る姿を、チームが団結する姿を見られたから。今回も団結力は必要」。2日のコスタリカ、6日のザンビア戦でさらに自信を積み上げ、W杯で世界を驚かす。【菅家大輔】

 ◆前回大会の岡崎

 09年の国際Aマッチで世界最多の15得点を記録するなど予選突破の原動力になった。翌年のW杯本大会でも主力として活躍が期待されたが、10年は大会直前までの8戦でわずか1ゴールと一転して結果を残せなくなった。壮行試合の5月24日韓国戦、同30日のイングランド戦、W杯前最後のAマッチとなった6月4日のコートジボワール戦と、3試合連続で1トップで先発するも無得点。その後、急きょ組まれた同10日の練習試合ジンバブエ戦で岡崎はスタメンを外れ、1トップには本田が入った。レギュラーを外された岡崎はW杯でも4戦すべて途中出場だった。<近年の欧州日本人の躍進>

 ◆プレミアV

 マンチェスターUの香川が12-13年、ルーニーらと抜群の連係を見せて優勝。13年3月のノリッジ戦ではハットトリックも達成した。

 ◆キャプテンマーク

 インテルミラノの長友は昨年12月の「ミラノダービー」でキャプテンマークを巻いた。後半37分にMFカンビアッソ主将が交代すると腕章が手渡された。

 ◆ミランの10番

 本田はミランに移籍するとボバンやサビチェビッチ、ルイコスタらスター選手が付けたエース番号が与えられた。

 ◆クラブ記録

 マインツ岡崎は、今季ブンデス1部で15得点。現チェルシーのドイツ代表FWシュルレと並び、マインツのクラブ記録だった。