[ 2014年7月14日8時58分

 紙面から ]試合後のセレモニーで記念撮影するオランダ代表<W杯:ブラジル0-3オランダ>◇3位決定戦◇12日◇ブラジリア

 黄色に染まったスタジアムを、オランダが黙らせた。前半3分、FWアリエン・ロッベン(30=Bミュンヘン)が、ペナルティーエリア内でブラジルDFチアゴシウバに倒され、PKを獲得。FWロビン・ファンペルシー(30=マンチェスターU)が冷静に決めて先制した。ブラジルの崩れた守備を見逃さず、同17分にはこぼれ球をDFデーリー・ブリント(24=アヤックス)が決めた。後半ロスタイムにもMFジョルジニオ・ワイナルドゥム(23=PSV)が追加点を挙げ、サッカー王国に完勝した。

 120分とPK戦を戦った準決勝から、中2日。ウオームアップ中にMFスナイダーが太もも裏を痛め、MFデグズマンが急きょ出場するアクシデントもあった。悲願の初優勝には届かなかったが無敗で大会を終え、ファンハール監督は「よく立て直した。15得点、4失点で振り返ればいい大会だった」と話した。

 試合後、ファンペルシーはスタンドに向かった。全身オレンジの服で応援した熱心なサポーターに、キャプテンマークとメダルをプレゼント。その後フェイスブックで「オランダのすべてのファンにありがとう!

 ブラジルでも、世界のどこでも素晴らしい応援をしてくれた」と感謝した。

 今大会は初戦スペイン戦で大勝し、一気に流れをつかんだ。伝統の4-3-3ではなく、守備的な5-3-2システムで戦い、批判も受けた。それでも堅守速攻で勝利を重ね、サポーターの心をつかんだ。この日は最後にGKフォルムが出場し、23人登録となった02年大会以降、初となる全員出場を記録。ベテランから若手まで「全員フットボール」で戦って勝ち取った3位だった。

 ▼登録23人全員出場

 オランダが記録。登録選手数が23人となった02年大会以降初めて。FWファンペルシーの4点を筆頭に9人がゴールを記録したが、1大会に1チーム9人以上が得点は、延べ5チーム目。最多は82年大会のフランス(4位)と06年大会のイタリア(優勝)が記録した10人。過去に9人は86年大会のフランス(3位)と98年大会のフランス(優勝)が記録。