SKE48が5日未明、愛知・SKE48劇場で、2年ぶりとなる「ミッドナイト公演」を行い、高柳明音(27)がグループの卒業を発表した。

突然の発表だった。公演では大人の色気を感じさせるようなセクシーさを前面に出す、普段の公演では見られないパフォーマンスを披露。古畑奈和(23)との2度に渡るキスも見せたが、終了間際「私、高柳明音はSKE48を卒業することに決めました。この公演を成功させるために、メンバーには言っていませんでした」と発表した。「SKEで10年、もう少しで11年。アイドルが好きで、いつまでもいたいけど、ここだと思って決めました。卒業することにしましたが、春ごろまでかな。時間があるので、よろしくお願いします」とあいさつした。

この日、古畑、山内鈴蘭、大場美奈、斉藤真木子、荒井優希、佐藤佳穂、青木詩織、北野瑠華、井田玲音名も出演。本当に何も聞かされていなかった出演メンバーがぼうぜんと立ちつくす中、山内は号泣していた。

卒業発表後には、「今まで仲のいいメンバーの卒業発表で号泣してきたけど、自分の時は全く泣けないんだと思った。でも発表できてすっきりした気持ちです」とすがすがしく話した。

卒業を意識したのは5年前だった。「続ければ続けるほど挑戦できることがあって、卒業かなと意識してから長くなってしまった。でも1日も無駄だった日はなかったです」と振り返った。

ミッドナイト公演を卒業発表の場に選んだのは、高柳なりの思いがあった。「ツアーやイベントなどでは盛り上がるのを落としたくなかったので、ここしかなかった」とグループを優先した。「メンバーがまだ決まっていない時期からここしかないと思っていたけど、らんらん(山内)と(大場)美奈と(斉藤)真木子は出るだろうなと。唯一あかりん(須田亜香里)が出なかったのが予想外で、ちゃんと連絡しなければと思っています」と話した。

舞台を降りると同期の斉藤が号泣して抱きついてきたという。「『よく頑張ったよ』と言って来ました。美奈も同じくらいの年数やっているから、引き留めるのは違うと分かってるし、『寂しいけどそうだよね、まだ半年あるよね』と言ってくれました」と明かした。

卒業までにやりたいことに全員ライブを挙げた。「SKE48は全員でのライブができていない。自分の卒業ライブがあるなら、全員で参加してほしいと思う。今は(松井)珠理奈さんもいないけど、その時はいて欲しいなと思うし、全員そろったコンサートをしたいなと思います」。

活動休止中の松井珠理奈にはどう伝えるのだろうか。「ちょっと、言えないですね、今は。落ち着いたら。変な形で耳に入らなければいいんですが…」と気遣った。

“ちゅり”の相性で親しまれた高柳は09年6月、2期生メンバーとしてデビューした。チームK2では初代リーダーも務め、SKE48の中心メンバーだった。11年のAKB48グループ総選のランクインしたスピーチで、総合プロデューサー秋元康氏へ異例のチームK2の公演開催を訴えた逸話もある。

テレビ番組でMCを務め、声優や女優などマルチに活躍。趣味のカメラは“ちゅりカメラ”と呼ばれ、プロ級の腕前だ。

卒業後は女優を目指すという。「サスペンスドラマに出たい。おじいちゃんおばあちゃんが好きでよく見ているので、元気なうちに出たいと思います」と前向きに話した。

突然の発表となったが、「私の勝手な思いかもしれないけど、ファンのみんなは泣きながらもお疲れさまと言ってくれると思います」と話した。「握手会でも女優の夢を追って欲しいというのも感じていたので、私がみんなを信頼するように、みんなも信頼して応援してくれると勝手に思っています。残り半年という期間をアイドルとファンとして、いい思い出を作れたらいいなと思います」とメッセージを贈った。