プロダンスリーグ「D.LEAGUE」で熱戦を繰り広げるDリーガーの素顔に迫る連載「Dリーガーのオドリバ」第4回は、avex ROYALBRATSのMacoto(21)と、SEPTENI RAPTURESのYOUTEE(20)の長身ダンサー2人の登場です。【取材・構成=大友陽平、写真・動画=鈴木みどり、青山麻美】
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--お互いの存在は知っていた?
Macoto お互い、にらめっこしていた感じですかね(笑い)。ちゃんと話をするのは今回が初めてです。コンテストとかバトルとかで、存在は知ってました。
YOUTEE 共通の知り合いもいます。
--これまでのROUNDを振り返って
Macoto 僕らはまず、毎日一緒に練習できたり、ダンスを踊れるのがすごく楽しいので、毎回のROUNDを楽しみにしながら練習している感じです。なので、ここまでは本当にあっという間でした。YouTubeでこれまでのROUNDをしょっちゅう見直すんですけど、信じられないぐらい、こんなにやってきたんだって思います。
--ROYALBRATSは毎回主人公がいて、ストーリー性があります。ROUND.7ではMacotoが主役だった
Macoto コンセプト的には、自分らしくいようとか、自分らしさを愛してあげようというメッセージが作品の中にありました。僕自身だったり、メンバー自身を愛してあげるというのもそうなんですけど、僕らはやっぱり見てくださってる皆さんがハッピーになれたらすごい幸せだなと思うので、皆さんに向けて幸せを届けようということで踊りました。
--各ROUNDで選出されるMVDにも選ばれた
Macoto こんな素晴らしいダンサーがいる中で選んでいただけるなんで、すごく光栄な気持ちです。うれしいです
--2勝目を挙げたROUND.7を振り返って
YOUTEE ROUND.7は、僕が「ROCK STEADY CREW(以下、RSC)」というチームに入っているので、そのチームがヒップホップのカルチャーをすごく大切にしていて、akihic☆彡さんが今回のコンセプトはヒップホップで行くっておっしゃった時に、何か僕にもできることはたくさんあるんじゃないかということで、振り付けだったりとかを一緒にやらせてもらいました。今回の優勝は思い入れのある作品だったので、すごく意味のある優勝だったのかなと思います。
--これまでのROUNDを振り返って
YOUTEE ROUND.4までは6位とか7位をいったりきたりで、すごく悔しい思いをたくさんしてきたんですけど、自分たちのダンスへの愛とか、音楽への愛とか自分たちらしさを出して、信じているものをやり続けていった結果、ROUND.5で優勝させていただいたので、今までやってきて良かったなと思いました。
--転機があった?
YOUTEE 最初は何で勝てないんだとか、チームとして落ち込んだりもしたんですけど、常にakihic☆彡さんが「大丈夫、大丈夫」とテンションを上げてくださったおかげで毎日頑張れましたし、応援してくれる皆さんがメッセージをくださったりするので、落ち込んでいられない! というタイミングでのROUND.5だったので、チームとしても勢いがついたのかなと思います。
--ダンスを始めたきっかけは?
Macoto 知り合いが出ていたミュージカル「セーラームーン」を4歳くらいのころに観に行って、そのDVDを買って、振り付けを完コピしているのを両親が見て、それでダンススタジオに入れてくれた感じです。4歳のころの話なので、あまり記憶がないんですけど、そう聞きました。
--ダンスの活動は?
Macoto コンテストにも結構出てたんですけど、コンテストで勝つよりも、いろいろな場所で踊りたいという方が強かったので、小学生のころとかはミュージカルに出たりとか、テレビとかのキッズダンサーのお仕事をしたり、小さい頃は三浦大知さんのバックダンサーで共演させていただいたりしていました。ROUND.7の審査員だった上地雄輔さんも、小学生のころに1回共演させていただいたことがありました。そんな感じでいろいろなところで踊っていて、最終的にRIE(RIEHATA)さんに出会って(チームに)入りました。きっかけは、今もチームメートのRenaと幼なじみで、ずっとキッズのころから一緒で、RenaがRIEさんのところに行くようになって、紹介してもらった感じです。
--ダンスを始めたきっかけは?
YOUTEE 僕は姉がKAT-TUNさんが大好きで、当時のDVDを見ている時に、テレビの前に立って、カーテンから出てきてマイクを持って踊ったりしていて、それを家族が笑ってくれたり、喜んでくれたりしている姿を見て、こういうのが楽しいなという感覚になって、それが忘れられずにずっと今もいるんですけど、それがきっかけで親からダンスをやってみないか? ということで、そこからダンススタジオに通いました。
--7歳で初めて渡米
YOUTEE コンテストで優勝させてもらって、その副賞がニューヨークに行って、RSCのアニバーサリーイベントに出られるというものでした。それがRSCとの初めての出会いでもありました。
--ずっと米国に?
YOUTEE その時は1週間くらいだったんですけど、リーダーのクレイジー・レッグスから「4年くらい頑張ったらファミリーに入れる」と言ってくれたんです。当時は何も分からなかったのですが、帰ってきて、初めて日本人でRSCに入ったMASAMIさんのスタジオに通った時に歴史を教えてもらったり、4年間かけていろいろなことを勉強させてもらったりとかしていました。4年後にまたニューヨークに行かせてもらった時に、「入るか?」みたいな感じになって、当時はブレイキンをやっていたんですけど、この先はヒップホップでやっていきたいという気持ちだったので、その翌年にRSCが日本に全員で来たタイミングで、メンバーがいる前で入れてくれました。
--学生時代は
YOUTEE 高校の後半からは「OVERSTEP CREW」というハウスダンスチームを、今もチームメートのRAIKIとAITOの3人とやってるんですけど、コンテストに出ながらという感じで日本でやっています。
--身長はいつから伸びた?
Macoto 自分は中2くらいからです。一気に伸びたより伸びた期間が長くて、高3まではずっと伸びてました。中2の頃は152センチとかでしたが、毎年10センチとか伸びていって、今180センチです。
YOUTEE 僕も中3くらいまでは160くらいしかなくて、高校卒業する時には180センチになっていて、またこの1年で5センチ伸びて、今185センチです。もう止まってほしいです(笑い)。例えば、ブレイキンをやる時は、ひといちばい、床に入っていくのが遅くなってしまいますね(笑い)。なのでアクロバットをやるのは大変です。
--逆に長身だからこそ表現できることやメリットは?
Macoto 僕はジャズもやっていたので、手の伸ばし方だったり、体をきれいに見せるトレーニングをしていたので、しなやかに、ひといちばい、長く見せられたり、ダイナミックかつ美しい踊りができるのかなと思います。すごい武器です。小さいころは、手が長いのはすごく嫌で、ヒップホップを踊る時も引っ込めて踊っていたんですけど、今はそれを武器だと思って、ダイナミックに踊れるようになりました。
YOUTEE 僕はストリートダンスをメインにやってきたので、高校生の時とかは苦労して、今でも結構自分でどこの可動範囲でよく見えるのかは研究中です。ただ、前回(ROUND.7)のMacotoくんのダンスを見て「これだ!」と思いました。
Macoto (照れ笑い)
YOUTEE 長身でここまで見せられるんだって。自分の中でも課題ではあるので、それを表現されていたのですごいなと思いました。
--逆にMacotoさんから見てYOUTEEさんは?
Macoto 本当に僕より身長が高いですし、本当に尊敬でしかなくて。長身だからこそ踊りづらかったり、動きが遅れたりというのはあるんですけど、彼は長身を武器として踊ってるのがそれかっこよくて、すごく刺激になりますね。
YOUTEE うれしいです!
--お互いのチームについての印象は?
Macoto RAPTUESは本当にダンスがうまいし、見ていてこちらが一緒に踊りたくなるぐらい、ダンスが好き! というのが伝わってきます。動画で見返しても、1人1人を見ていて「あ、この人うまい」「この人もうまい」みたいな。ダンススキルも、見せ方も、僕の中で“渋滞”しているんです(笑い)。初めて優勝した時も、すごくうれしくて戦っているんですけど、「よしよし!」って(笑い)。最高の気分でした。ファンです!
YOUTEE ROYALBRATSの結束力は、リーグ内でも一番なんじゃないかなと思います。本当に家族みたいな、言葉だけじゃなくて、心がつながっっているように僕たちからも見えて、そういうところは学んでいかないとと思います。RIEさんの発想力やストーリー性、ステージングもすごいと思います。
--RAPTURESは今回のDリーグ発足で結成された
YOUTEE ほぼほぼ一緒にやるのは初めてのメンバーです。最初はスタイルも違えば、ジャンルも違うので、同じakihic☆彡さんの振りをやるといっても、それぞれの個性がありすぎて結構ぶつかったりもあったんですけど、akihic☆彡さんの教えの中に、それぞれが理解して、その人がレッスンを積むところを見て、その人のジャンルやスタイルを学ぶという時間があるんですけど、それを最初にやったおかげで、それぞれのクセだったりを理解できたので、今は結束力も高まっています。ルーツが違うからこそ、逆にそれが武器にもなって、いろいろな出し方だったり、個性の出し方ができるので、強みでもあると思います。
--ROYALBRATSはずっと一緒にやっている
Macoto ほとんど全員が小学生のころからRIEさんの生徒でレッスンに入っていて、本当にずっと一緒です。幼なじみが一緒に大人になってきて、プロダンサーになって、一緒に成長してきたという感じです。本当に家族のような存在です。今までも環境が変わったりとか、それぞれ個々でも活躍していて、周りの環境に流されそうになることはたくさんあったんですけど、結局バラバラになっても、ここが“ホーム”だよねと戻ってこられていました。Dリーグが始まっても、変わらず俺ららしくいこうねっていう話はしていたんですけど、始まってからも超楽しくて、僕らがチームとしても、ダンサーとしても、人としてもすごく成長するきっかけになれて、さらに絆が深まっちゃってます(笑い)。毎日リハーサルとかで一緒にいるのに、休みの日も結局集まっちゃうんですよね(笑い)。ROUND翌日とかもだいたい休みなんですけど、カフェとかで集まって余韻にひたったり、しゃべったりするのがルーティン化してます(笑い)。だからもう、家族ですね。
--後半戦に向けてチームの目標は?
YOUTEE ROUND.7を終えて総合4位に入らせていただいたんですけど、まだまだ気が抜けない戦いは続くと思いますので、より一層頑張らなきゃいけないですし、結束力も高めなきゃいけないですし、最後はあの王座のいすに座っていたいとチームでも話しているので、謙虚さだったり、誠実さだったり、愛を忘れずに、自分たちらしさをしっかり出して、今後のROUNDも頑張っていきたいなと思っています。
Macoto 僕らはファンの皆さんや、見てくださる皆さんが喜ぶようなエンタメをお届けできたらと最初から強く思っているので、今までずっと応援してくださるファンの皆さんに恩返しができるような、僕ららしいパフォーマンスができたら大満足だと思います。
--個人的な目標は?
Macoto 個人的にはジャズをやってきたり、小さいころからミュージカルに出たり、それきっかけでダンスにもはまったので、ミュージカルにも挑戦していきたいなというのがすごく強くあります。ただのミュージカルファンなだけなんですけど…。ずっとストリートダンスで今までやってきて、本当に最高な経験させていただいて、個人的なネクストステップとして、ミュージカルという、また違うフィールドでやってみたら、新しい自分を発見できるんじゃないかなと思って、ワクワクしてます。今までやれなかったことをやりたいです。
--過去にミュージカル出演経験もある
Macoto ℃-uteさん主演のミュージカルに出たんですけど、歌もお芝居もダンスもあってという感じで、1人だけ子供で出ました。それからオーディションとかも受けていたんですけど、小さいころはストリートダンスをやりたいとか、レッスンに行きたいという気持ちが強かったんです。大人になってまたミュージカルを見るようになったりとか、ニューヨークでブロードウェーの作品を見て、「これがずっとやりたかったんだな」って、ダンスを始めたきっかけを改めて気づかされて。いつか、ブロードウェーの「ウエスト・サイド・ストーリー」に出られたら、最高ですよね…。他のストリートダンサー出身の日本人が「ウエストサイドストーリー」に出られたら、超絶嫉妬すると思います。僕が最初にストリートダンサー出身のブロードウェーミュージカルに出たという日本人になりたいです! 革命を起こしたいです!
YOUTEE 小さいころにRSCに入った時から、ヒップホップ文化を知っている人は少ないので、知らない人がいないぐらい広めていくことが最終的な夢です。Dリーグを通して自分のダンスへの愛や、ダンスの楽しさを、自分がKAT-TUNさんを見た時と同じような感覚を、見ている人に与えられたらと思います。あの時感じた家族の笑顔やその感覚を忘れないで、ずっと持って、小さい子たちが、あの人たちみたいになりたいっていう風になるように、今後もダンスももちろんなんですけど、他の面でも頑張っていきたいと思います。昔は(日本初のキッズダンス映画の)「SHAKE HANDS」の主演をさせてもらったり、モデルもやらせていただくこともありました。演技とかにも興味は持っています。だからMacotoさんと近いところはあると思います!
◆Macoto(マコト)1999年(平11)11月9日、東京都生まれ。4歳でダンスを始め、5歳からTONY GOGO氏のもとでストリートダンスの基礎を学ぶ。ヒップホップとジャズが主軸。14年から「RIEHATATOKYO」メンバーに。三浦大知、GENERATIONSらのMV出演などバックダンサーを務める。180センチ。
◆YOUTEE(ユーティー)2000年(平12)10月14日、東京都生まれ。5歳でダンスを始め、7歳の時に初渡米。11歳で、ニューヨークの伝統あるヒップホップチーム「ROCK STEADY CREW」の世界最年少の正式メンバーに。さまざまなダンスコンテストでも優勝。テレビ、CMなどにも多数出演。185センチ。
◆ROUND.7(4月6日)ハイライト 審査員が4人から8人に増員されて迎えた後半の初戦。SEPTENI RAPTURESが、ヒップホップの歴史を伝えるショーケースで2勝目を挙げ、総合順位でもチャンピオンシップ圏内の4位に浮上した。総合首位はavex ROYALBRATSが首位をキープ。1差でFULLCAST RAISERZが2位につけた。20日開催のROUND.8はゲスト審査員をはるな愛らが務め、ゲストアーティストにはFAKYが登場する。