これまで、ゆりやんレトリィバァ(35)はちょっと苦手なタレントでしたが、8月に日米合作ブロ-ドウェーミュージカル「フル・モンティ」に出演する姿を見て、印象がガラリと変わりました。

ミュージカル「フル・モンティ」でミュージカル初出演を果たすゆりやんレトリィバァ(撮影・阪口孝志)
ミュージカル「フル・モンティ」でミュージカル初出演を果たすゆりやんレトリィバァ(撮影・阪口孝志)

「フル・モンティ」は、勤めていた工場が閉鎖されたため失業した男たちが一発逆転を狙って、大胆にも男性ストリップショーで「フル・モンティ」(すべてをさらけ出す)に挑む姿を描いた作品で、主演の山本耕史(49)と、ミュージカル初挑戦のゆりやん以外は米国から来日したキャストでした。

ゆりやんは開演直後に幕前に登場。テレビ番組の公開収録などで、本番が始まる前に会場の雰囲気を盛り上げる「前説」のような役回りで、まだ空気が温まっていない客席に向かって手拍子や「ヒューヒュー」の掛け声などを練習。テレビでなじみある、ゆりやんの親近感あふれる前説で客席も徐々に高揚し始めたところで、舞台が始まりました。舞台と客席の架け橋役を見事に務めていました。

ミュージカル「フル・モンティ」でミュージカル初出演を果たすゆりやんレトリィバァ(撮影・阪口孝志)
ミュージカル「フル・モンティ」でミュージカル初出演を果たすゆりやんレトリィバァ(撮影・阪口孝志)

ゆりやんが演じたのは、失業したため自信を失くしてしまった夫を励まし、支える、明るく心優しい妻のジョージー。全編英語のせりふですが、現在はロサンゼルスを拠点に活動するだけに、ネイティブ(母語)のように滑らかで、言葉に情感がこもっていました。歌も「YOU RULE MY WORLD」など4曲を歌っていましたが、その歌声はブロードウェーの舞台にも立つ共演者たちに負けていませんでした。さらにストリップショーの場面になると、客席に下りて、一観客として歓声を上げるなど、大活躍でした。「ちょっと苦手」から「ちょっといいかも」に変わる舞台でした。【林尚之】(ニッカンスポーツ・コム/芸能コラム「舞台雑話」)