将棋の藤井聡太5冠(竜王、王位、叡王、王将、棋聖=19)が18日、北野天満宮(京都市上京区)を参拝し、同神社で開催された「藤井聡太叡王 叡王戦初防衛記念 天神さん子ども将棋大会」で、地元の子どもたちと交流しました。大会には親子約120人が参加。子どもたちからは「強くなるには」など質問攻め。「ウチの子も…」と願う親からは「子育て」の相談も受けました。
子どもから「将棋が強くなるにはどんなことを勉強すればいいか」と尋ねられと、「将棋が強くなる方法は1つだけではないと思う。僕の場合は詰め将棋が好きで、子どもの頃からたくさん解いたが、必ずしもそれだけではない。自分が好きで楽しんで取り組めることをたくさん作ること。楽しんで続けることが上達への一番の道かなと思います」と語りました。
この言葉の背景にあるのは藤井家の教育方針です。「好きなことはトコトン」。これは藤井家の子育ての基本であり、両親が話し合い、決めた「子どもの意志を尊重する」という考えがありました。
4歳のとき、父からプレゼントされたスイス製の立体パズル「キュボロ」に夢中になりました。空中に立体迷路を作って、ビー玉を走らせる知育玩具。1人で何時間でもいろいろなパターンを作り続けたそうです。やり始めたらとことんやる-。家族によると、その集中力は最初からあったそうです。
どのような環境で育ち、どういった教育を受けてきたのか。親たちもその言葉に耳を傾けました。
先月、子どもが生まれたばかりという男性からは「子どもが将棋が好きになるには、どういった子育てがいいのでしょうか?」と“相談”を受けました。
5歳のとき将棋を始めた藤井5冠ですが、「最初は祖母にルールを教わった。祖母が初心者で、すぐに勝てるようになった(笑い)。でも(勝つことが)うれしくて、その後も続けることができた。将棋を教える際にはなるべく、負けてあげて、将棋の楽しさを教えてあげるのもいいのかなと思います」。自らが楽しかった幼少時代を振り返りながら、実体験に基づいたアドバイスを送りました。
史上最年少の14歳2カ月でプロ入りして以来、デビュー29連勝、その後も史上最年少の数々の記録を更新してきました。「将棋を辞めようと思ったことは」の質問には、こう答えました。
「負けて悔しいと思ったことはたくさんあるけど、これまで辞めたいと思ったことはないです。負けたときは悔しいけど、将棋そのものの面白さを感じることができた」
その上で、子どもたちにこう呼び掛けました。
「負けて悔しい気持ちは、とても大切ですが、将棋を楽しむ気持ちを常に大切にしてほしいなと思います」
最後に今の目標を尋ねられると、こう即答しました。
「一番の目標は将棋の内容を良くしていくこと。内容を良くしていくことでより面白い局面に出合える」
激戦が続く中でも、「好きなことはトコトン」。心から将棋を楽しんでいます。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)







