藤井聡太竜王(名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖)が19日、21歳の誕生日を迎えました。史上最年少で名人を獲得するなど記録ずくめだった「20歳」の1年をどのようにみているのでしょうか。
王位戦7番勝負の開幕局の前日会見。20歳の1年について聞かれると、「1年間、順位戦を戦って名人戦に出ることができ、名人を獲得することができたのは、自分としては大きな出来事でした」と振り返りました。
20歳10カ月での名人位獲得は、谷川浩司17世名人が持っていた21歳2カ月の名人獲得最年少記録の40年ぶりの更新でした。小学4年のとき自己紹介カードに「名人をこす」と記した少年の大きな目標でした。
名人戦以外でも「大舞台での対局を多く重ね、うまくいったところとそうでないところもあった」と課題も口にしました。
竜王戦では広瀬章人八段、王将戦7番勝負では羽生善治九段を挑戦者に迎え、苦しみながらも、いずれも初防衛を果たしました。1度も失冠しないまま、棋王戦、名人戦も制し、7冠まで一気に駆け上がった1年でもありました。
最年少の14歳2カ月でプロ入りしてから、歴代1位の29連勝、17歳の夏には史上最年少で初タイトルを獲得など数々の記録を打ち立て、現在では7冠を保持し将棋界の頂点に立ちます。あどけなさが残った14歳は、7年の時を経て、身長も伸び、青年の顔つきになりました。キノコ類は苦手なままですが、マイタケの天ぷらが食べられるようになりました。苦手克服へ前進しています。
昨年、20歳の誕生日を迎え、誓ったことがありました。「実力を高めるために、今後の数年というのは非常に大事な時期になってくる」。20代は気力と体力がかみ合う黄金期です。羽生善治九段が7冠独占(当時)を果たしたのは96年、25歳の時でした。
8冠全制覇へ残すは王座のみ。8月には豊島将之九段との挑戦者決定戦に臨みます。記録は気にしないと公言する21歳は、ひたすら「強くなること」を目指します。前人未到の偉業を達成したとき、どんな「新しい景色」が見えるのでしょうか。楽しみです。
【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)




