ウマが関東馬と関西馬に分けられることを知ったのは、大人になって競馬に興味を持ってからだった。もちろん、関西馬だからといってタコ焼きを好んで食べるわけではない。ウマを管理する厩舎が関東(茨城県美浦)にあるか、または関西(滋賀県栗東)にあるか、で決められる。したがって、ウマ本人が「わしゃ関西馬でっせ」などと意識していることもない。
その点、人間は出身地や話し言葉で、およそ「関西人」「関東人」と判別できる。もちろん、博多人や名古屋人もいれば、東北人もいる。
さて「THE SECOND」である。グランプリファイナルに進出した8組のうち、関西勢は5組。ザ・ぼんち、モンスターエンジン、金属バット、吉田たち、ツートライブだ。はりけ~んずは東京拠点で活動しているが、2人とも関西出身なので関西勢とすれば6組になる。
大阪で生まれ育った記者(わたしです)にとっては、同じ漫才であっても関西弁を使うコンビがやはり親しみがある。ネタに入りやすいし、自然な流れで笑ってしまう。逆にいえば、関東弁なのにぐいぐい引っ張っていくナイツのような存在は、素直にリスペクトしている。
8組中5組(または6組)が関西勢なのは、ひそかにうれしい。昨年12月に開催されたM-1グランプリ決勝では、10組中、バッテリィズ、ジョックロックと敗者復活から勝ち上がったマユリカ(彼らも関西出身で2年前から東京拠点)のみ。10分の3でしかなかった。それを思えば、関西色がグッと増した今回のグランプリファイナルは楽しみでしかない。
昭和の初期、エンタツ・アチャコが上方漫才の歴史を拓(ひら)いて、やがて100年。その流れはいとし・こいし、ダイマル・ラケット、やすし・きよしらが受け継いできた。この間、日本はなんでもかんでも東京中心になってきた。それでも関西弁は今なお根強く残っており、漫才や落語といったお笑い文化は、西と東でそれぞれ独自のものを築いている。
THE SECONDは過去2年ギャロップ、ガクテンソクと関西から出たコンビが優勝を飾ってきた。一方、M-1では2019年のミルクボーイ以来、関西勢の優勝者は出ていない。シンプルにいえば、16年目以上の中堅ベテランの漫才は西の層が厚い、ということか。それは上方漫才の歴史を思えば自然なことであり、大阪では漫才劇場はじめ数々の劇場で若手がしのぎを削っている。
思い起こせば、競馬でも「関西馬を応援する」というファンが結構いた。ウマが「なんでやねん!」とツッコむわけでもないのに、淀や仁川でレースを見ていることで「親戚の兄ちゃん」のような近さを感じるのだろう。そんな背景もあって、17日のグランプリファイナルで、関西勢の優勝を切に願っている。【三宅敏】










