日本音楽著作権協会(JASRAC)が20日に、2026年JASRAC賞を発表した。

同賞は、前年度にJASRACから著作物使用料の分配額が多かった作品の作詞者・作曲者・音楽出版社を表彰するもので、82年の創設から44回目となる。

88年の第6回から国内作品の上位3作品を金賞、銀賞、銅賞として表彰している。

また、海外の著作権管理団体からの入金が最も多かった国内作品を国際賞。分配額が最も多かった外国作品を外国作品賞として、それぞれ表彰している。

今回の受賞作品は以下の通りである(音楽出版社名は略)。

▼金賞 「ライラック」(Mrs. GREEN APPLE) 作詞作曲・大森元貴

▼銀賞 「川の流れのように」(美空ひばり) 作詞・秋元康、作曲・見岳章

▼銅賞 「Bling-Bang-Bang-Born」(Creepy Nuts) 作詞・R-指定、作曲・DJ松永

▼国際賞 「NARUTO-ナルト-疾風伝BGM」 作曲・高梨康司

▼外国作品賞 「BITTERSWEET SAMBA」 作曲SOL LAKE(ソル・レイク)

金賞と銅賞は、ストリーミングなどインターネットなどを通じたインタラクティブ配信で、圧倒的な分配を受けた。「Bling-」は昨年も銀賞を受賞している。

両曲とも時代性、ヒット性から受賞は納得だ。

その2曲の間の銀賞で、昭和を代表する歌姫・美空ひばりさんの「川の流れのように」が受賞したのは、うれしい。

同曲の発売は昭和から平成に変わった直後の89年1月11日。実に37年の時を経ての初受賞である。

国内外170組以上のアーティストにカバーされ、25年は264日にわたって全国各地で演奏された。カラオケで今も歌われ続けている。

初受賞にはアイナ・ジ・エンドのバージョンなど、サントリー生ビールのCMソングに継続的に利用されたことも大きく影響した。

表彰式では、氷川きよし(48)がお祝いに駆けつけ、同曲を歌唱した。

ひばりさんの息子で、ひばりプロダクション及びスカイラーク音楽出版の代表取締役である加藤和也氏(54)は「昭和を駆け抜けた美空ひばりが、平成、そして令和と時代を超えて、多くの皆さまに愛され続けていることに、心より感謝申し上げます」とあいさつした。

まさに、川の流れのように、時代を流れていく名曲の証明である。

外国作品賞の「BITTERSWEET SAMBA」という曲名は知らなくても、老若男女の誰もがメロディーを聴いたことがあるだろう。

ニッポン放送の長寿深夜番組「オールナイトニッポン」のテーマ曲として、50年以上にわたって愛されている曲である。

24年以来2度目の受賞で、今回もサントリーのビール金麦のCMソングに継続して利用されたことが大きかった。

ちなみにテレビやラジオのCM放送の著作物使用料は、放送局ごとに定められた放送1回あたりの単価に、放送された回数を乗じて算出される。

放送時間帯や、使用する曲の長さにかかわらず単価は一律となっている。

例えばA局に定められた放送1回の単価が1万2000円とすると、計100回放送されると120万円となる。

全国にはテレビのキー局や地方局、ラジオ局など数多くの放送局がある。

テレビもラジオもキー局と地方局では単価が違ってくるが、その累計額は膨大になる。

過去にもCM放送で再注目され受賞したケースは多い。

携帯電話のCMでピンクレディーの「UFO」(77年)が18年に銅賞、19年に銀賞を獲得した。

コンビニのCMでザ・モンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」(67年)が、忌野清志郎さんバージョンなどで17、18、21年と外国作品賞を受賞している。

2026年JASRAC賞は、サントリービールのCM効果が絶大だったようだ。【笹森文彦】