雪組は、トップ彩風咲奈、人気スター和希そらと、それぞれの主演作がともに大阪で開幕した。和希主演の「心中・恋の大和路」は、20日に階下のシアター・ドラマシティで初日。大阪公演は残念ながら26日から中止となったが、宙組から雪組異動2作目で雪伝統の和物に臨んだ。

雪組スター和希そらは「ミュージカル 心中・恋の大和路」で、雪組へ移って初主演。近松門左衛門の代表的世話物は、遊女の身請けを願う飛脚問屋の忠兵衛が主人公で、運命の恋におぼれていく様を描く。

宝塚ではこれまで瀬戸内美八、剣幸、汐風幸、壮一帆らが挑んできた。人の弱さ、もろさをあぶりだし、理想の男性像を追う宝塚スターにとっては難役。歌、舞踊、芝居と3拍子そろう和希ならではの熱演になった。

忠兵衛の思い人、遊女梅川は夢白あや、忠兵衛の友人で米問屋の主人は専科から凪七瑠海。忠兵衛の店の手代は、諏訪さきが好演した。

28日まで予定だったドラマシティ公演は、残念ながら26日以降中止。東京・日本青年館ホール公演についても、初日3日からの上演を取りやめ。9日午後3時30分開演分からの上演が決まり、当初は9日千秋楽予定も、会場の確保ができたため、10日に同会場で追加公演を行う。和希の東上初主演作は、コロナ禍を乗り越え、2日間3公演の上演が決まった。