花組の人気スター聖乃あすかが3日、兵庫・宝塚バウホールで、森鴎外の小説を原作とした主演ミュージカル「舞姫-MAIHIME-」の初日を迎えた。

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抜群の美貌、気品あふれるたたずまいで、早くから期待された聖乃は、14年入団の100期生。新人公演主演を重ね、21年に「PRINCE OF ROSES」で、100期生初のバウ主演。今回、2度目バウ主演も100期一番乗りとなった。

期待の花組スターは「男役10年」の節目イヤー。明治時代、国費留学生としてドイツへ渡り、踊り子エリスとの出会いから、愛と祖国への思いに揺れるエリート軍人・太田豊太郎を繊細に、丁寧に演じた。

エリスとの純愛は、私費でベルリンに暮らす極貧の画家との出会いでさらに燃え、世間の中傷の的となる。免官処分を受けた豊太郎の才を惜しんだ旧友の助けを得て、再び頭角を現すも、最愛の人との別れを迫られ、苦悩を深めていく。

軍服、スーツと多彩な衣装も着こなし、愛に輝き、愛に悩み…多様な“顔”も。「正統派男役」としての技量を存分に発揮した。

エリスは104期生の美羽愛、旧友役は聖乃の1年先輩の帆純まひろが好演。極貧画家は102期生の侑輝大弥が熱演を見せた。

開幕前日の2日には通し舞台稽古で最終確認。聖乃は「1回1回の公演を大切に、丁寧につとめて参りたいと思います」と誓い、幕開けに備えていた。

同所で14日まで。【村上久美子】