シリーズ20作目を迎えるテレビ朝日系ドラマ「相棒season20」(10月スタート、水曜午後9時)で、今回も杉下右京(水谷豊)の相棒、冠城亘役を演じることになった俳優反町隆史のコメントです。水谷×反町コンビも7年目に突入。初代相棒、亀山薫役の寺脇康文と並び、最長の相棒となります。

第1シリーズからの「相棒」ファンから見ても、コメディーからシリアスまで見どころが幅広い水谷×反町コンビは特に絵になりかっこいいので、反町の続投はうれしい限り。主演の水谷も「“良い時間”が増えてきたなという感想」「1年、1年、同じ時間を重ねる中で、自然に2人の世界が生まれてきた」と大きな信頼を寄せており、2人がどんな新シーズンを見せてくれるのか、今からわくわくしています。

振り返れば、15年に4代目相棒として発表された時は、キレキレの二枚目のイメージから「反町?」という戸惑いの声も聞かれましたが、登場編(シーズン14、第1話「フランケンシュタインの告白」)が放送されると一変。キレ者で、ひょうひょうと相手の懐に入るのがうまいおちゃめな二・五枚目路線を魅力的に演じ、「『GTO』以来のハマり役」などとあっという間に番組ファンの心をつかんだ印象です。

もともと法務省のキャリア官僚で、人事交流で警視庁にやってきた“お客さま”という初期設定。右京や歴代相棒のような生粋の警察人とは根っこのカルチャーが違い、警察官となった今もどこか独立した視野とアプローチを感じさせる存在です。右京のツッコミ役としてチャーミングに立ち回り、官僚仕込みの人脈と器用さでスッと個人行動もし、時には右京と対立もする。決して師弟関係ではない才能の丁々発止でシリーズが若返り、2人のコンビネーションに大人の色気があるのです。

ちなみに、杉下右京のことも「杉下さん」ではなく、普通に「右京さん」。「右京さん」と呼ぶのは初代の亀山以来ですが、呼び方にどこか尊敬がにじんでいた亀山と違い、冠城の場合は人に対するフラットな性格がそのまま出ただけという感じ。屈託なく相手の懐に入る冠城らしさが、右京とどんなドラマを見せてくれるのか楽しみです。

シーズン20の幕開けとなる第1話SP「復活」は、冠城亘が逮捕され、いきなり特命係が窮地に立たされる展開に。シーズン19の最終回で描かれた事件の黒幕、内閣官房長官(相島一之)との対決が描かれます。水谷は「現実のどこかでこんなことが起きているんじゃないかと思うような、リアルな感覚を覚えました。それを“相棒ワールド”で描くとこうなるんだなと。よく考えると心底恐ろしいストーリーです」。

水曜に「相棒」がある幸せ。10月のスタートを待ちたいと思います。【梅田恵子】(ニッカンスポーツ・コム/芸能記者コラム「梅ちゃんねる」)