アニメ「ドラえもん」のジャイアン役などで知られ、18日に急性呼吸器不全で亡くなった声優たてかべ和也(かずや)さん(本名・立壁和也=たてかべ・かずや、享年80)の葬儀・告別式が24日、東京・青山葬儀所で営まれた。この日は600人が弔問に訪れた。

 前日23日の通夜に続き、弔辞を読んだ「ドラえもん」スネ夫役の肝付兼太は、祭壇に向かって、「大きな声で呼んでみたい…ジャイアーン!!」と叫んだ。たてかべさんに、もうかなわなくなった復活への思いを吐露した叫びだった。

 それに続き、所属のケンユウオフィス社長で葬儀委員長を務めた、一番弟子の堀内賢雄も、たてかべさんの遺影に「かべさーん、かべさーん」と叫んだ。所属事務所公式サイトでは、「あなたの教えを忘れずに最後まで涙を見せずに見送らせていただきます」とつづっていたが、その誓いを果たせず、「日本一の師匠でした」と感謝し、涙した。

 出棺時には、後輩の有志が用意した、たてかべさんの年齢と同じ80個のハト型の風船が空に向かって“放鳥”された。その中を走る霊きゅう車に向かって、弔問客がかけた「かべさん、ありがとう」の声が、こだました。