舞台降板などをめぐって法廷で争っている歌手土屋アンナ(31)と舞台プロデューサー甲斐智陽氏(64)が8日夜、都内でそれぞれイベントに出席した。舞台降板と名誉毀損(きそん)の2つの裁判で対立する2人だが、イベントは同時刻の午後6時にスタート。11月9日に予定される2人の法廷直接対決「人証調べ」の“前哨戦”となった。

 甲斐氏は銀座で、土屋が降板した因縁の舞台「誓い~奇跡のシンガー」の会見。当初のストーリーを変え今年7月に宝塚歌劇団出身の妃鳳こころ主演で2年遅れで初演した。今回の再演(今月16~18日、東京・中野区野方区民ホール)は妃鳳が気管支炎で降板したため、宝塚出身の麻樹ゆめみを起用しキャストを一新。甲斐氏は同時刻スタートに「えっ? 本当なの。それは偶然だよ」と強調。「あっちも頑張ってほしい」とエールを送った。

 土屋は、東京・すみだ水族館のPRイベントに出席した。取材陣に甲斐氏との裁判について聞かれると「早く終わりにしたい」と第一声。11月9日に証人出廷が予定されていることには「それは聞いています。やることはキチンとやります」と明言。続けて「ファンの方が喜ぶように、嫌なことがなくなれば…。(裁判の結果は)どちらにせよ、結論が出てくれれば」と笑みを浮かべ話した。イベントは、9日から始まるクラゲ万華鏡トンネルの開催記念として開催。全長50メートルのスロープにある8つのクラゲ水槽と壁面に、写真家で映画監督の蜷川実花さんの映像と写真を投影し、幻想的な空間を生み出す。12月27日まで。

 今日9日東京地裁で行われる口頭弁論で11月9日予定の「人証調べ」の日時が正式に決まる。土屋、所属事務所社長の土屋の母、甲斐氏が初めて法廷で直接対決する。甲斐氏は舞台降板の損害賠償を土屋に求めているが一方で、「ANNAはどうしようもない女」という自作曲をめぐり土屋側から名誉毀損で訴えられた。「ようやく裁判らしくなってきた。2つとも勝つ自信はある」と言い切った。