気になる静岡県テレビ局アナウンサーを紹介する連載「静岡アナ 気になリスト」。静岡朝日テレビ橋本ありすアナ(31)の「その2」です。即戦力のニュースキャスターとして2007年に入社。昨年4月からは一転、情報番組「とびっきり!しずおか」のMCになりました。それに伴った「決意」を聞きました。

 -入社して、研修はありましたか

 入る前にはテレビ朝日系列でありましたが、入社後はほぼなく、4月末から、夕方の県内ニュースを担当しました。

 -新卒で即戦力

 周りはもう、疑いの目で見ていました。採用の時からニュースの担当は決まっていて、上司からは「1カ月しかないんだから、スタジオにこもって、飽きるまで練習しろ」と。怖くて、悲しくて、当時は「何でこんなに冷たく当たられているんだろう。嫌なヤツ」と思いましたけど、今では心から感謝しています。

 -取材現場には

 徐々にやわらかいネタやお天気ネタを任されるようになりました。静岡気象台に通って、よくしてくれる人が出てきたり。「こうやって関係性を作っていくんだ」と学び、行政系の取材にも行かせてもらうようになりました。そのうち、自分でネタを見つけて、アポを取って、内容を考えてというのが、当たり前になりました。

 -キャスターは何年

 昨年3月までの8年間です。最終回の日は、ニュースを離れる寂しさをこらえながらやっていました。ただ、最後の項目が、下田の「お吉祭り」に関する話題で、それに関わるおじいさんが引退する内容でした。私もこのスタジオで原稿を読むのは最後なんだと思うと、もうダメで「お、お、お、お吉が…」と。自分の(お別れの)メッセージで泣くならまだいいんですが、最後の原稿で泣いてしまったのは悔しくて。

 -その後、「とびっきり!しずおか」のMCに

 もう、転職したくらいの感じでした(笑い)。

 -情報番組ですが、意識していることは

 変に気取らないっていうことですね。私、丸顔なんですが、これも前向きにとらえていますよ。

 -特徴にしようと

 はい。実はニュースを読んでいた頃、取材先でおじさんに、「マルちゃん」と呼ばれたことがありました。「え?」と言ったら、「顔が丸いから、家ではそう呼んでいる」と。その「マルちゃん」は、大きなきっかけでした。「とびっきり!」は、柔らかい雰囲気でお届けしている番組なので、こんな感じのふんわりしているのが、いいのかもと。まあ、後輩も先輩もきれいな人がいっぱいいて、「私だけこんなに丸顔で、どうしてアナウンサーになったんだろう」と、真剣に考えた時もありましたけどね(笑い)。

 硬いイメージのニュースキャスターから一転して、丸顔キャラでお茶の間を和ませている「実力派」橋本アナ。「その3」では、社内結婚までの経緯や将来について迫ります。【柳田通斉、鈴木正章】(つづく)

 ◆橋本(はしもと)ありす 1984年(昭59)6月26日、東京・世田谷区生まれ。明大政治経済学部卒業後、07年に入社。担当番組は「とびっきり!しずおか」。10年3月2日に社内結婚。血液型A。