気になる静岡県テレビ局アナウンサーを紹介する連載「静岡アナ 気になリスト」。SBS牧野克彦アナ(39)の「その2」です。2003年、幅広い活動の場を求めて瀬戸内海放送から移籍。08年には、SMAP中居正広(43)から「日本一絡みづらいアナウンサー」と全国ネットの番組で紹介されました。その理由とは。

 -SBSでのアナウンサー生活はどうですか

 ニュースにサッカー実況にラジオも。幅広くできるので、すごく楽しいです。

 -08年に中居さんとの絡みで話題になったとか

 はい。中居さんが主演映画「私は貝になりたい」のPRでSBSにもいらして、私がインタビューしました。多忙な方ですので、打ち合わせ時間も取れず、パッとカメラが回り出した瞬間が、初対面でした。ですから、早く距離を詰めようと、私が相当フレンドリーにアタックしてしまい、パーソナルスペースを侵していたんだと思います。

 -ハハハ。でも、印象には残ったでしょうね

 そうですね。グイグイ行ったので、「日本で一番絡みづらいアナウンサー」と言われまして(笑い)。それを後日、全国ネットのTBS系「うたばん」で紹介していただいて。

 -放送されることは知らなかった

 その日が放送だと聞いておらず、見ていませんでした。駅にいたんですけど、突然、携帯電話がバーっと鳴り出して。昔の友人とか、連絡を取っていない親戚らから電話とメールが入り出して。その夜は電話が機能しなかったですね。

 -すごいですね

 中居さんの影響力の大きさを感じました。インタビュー中は「ちゃんと給料もらってんの?」とかイジってもらったのですが、撮影後に「その個性、生かした方が良いよ」と言って下さいました。うれしかったです。当時、「中居」とネット検索したら、「牧野」と出るくらいの反響でしたので(笑い)。

 -その後、再会は

 ないです。ただ、振り返ると、中居さんには多くのことを学ばせていただきました。放送にないところで「ここは俺がしゃべるところだよ」と指摘されたんです。後で分析すると、中居さんが話し終える最後のワードのところで、私が言葉をカットインしていたんです。中居さんとしては、もうひと言入れることで、(話に)オチをつけたかったのかもしれない。そいう場面では、必ず相手の語尾にかぶせないとか、空気を読み切ってから突っ込むとか。剣道で竹刀の先と先を触れ合わせながら、相手の出方を待っているような感覚を、しゃべりの中で感じました。

 -短い間に、相当に気に入られたんですね

 どうなんですかね。とにかくグイグイ行ったので(笑い)。

 グイグイ精神で「話題の人」になった牧野アナ。「その3」では、プライベートとアナウンサーとしての喜びを聞いています。【柳田通斉、鈴木正章】(つづく)

 ◆牧野克彦(まきの・かつひこ)1976年(昭51)9月28日、京都府生まれ。同志社大商学部卒。99年、瀬戸内海放送入社。03年からSBSへ。担当は「イブアイしずおか」のニュースキャスター、スポーツ中継など。血液型O。