桂歌丸(79)が22日、日本テレビ系「笑点」(日曜午後5時半)の生放送で勇退した。1966年(昭41)5月の番組スタートからレギュラー出演していた。司会として最後の大喜利放送を終えた後、涙を見せた歌丸は「笑点は私の恩人。いつか収録を一番前で見たい」と話した。後任の司会は内部昇格で春風亭昇太(56)に決まり、29日の「笑点」生放送で新メンバーが発表される。

 番組スタート時から50年にわたって唯一出演した歌丸は、最後の大喜利放送後に涙があふれた。この日はいつもの後楽園ホールではなく、日本テレビのスタジオで、最後のお題は「私に送る言葉」。笑いの中で大喜利が終わり、歌丸は「お名残惜しいんですが、お別れです。50年間ありがとうございました」とあいさつし、新司会を「春風亭昇太さんにお願いしたいと思います」と発表した。

 2月に依頼を受けたという昇太は「話があった時、『えーっ』と思った。プレッシャーはあるけど、考えてもしょうがない。一生懸命やるだけ」と緊張気味に話すと、円楽は「ワンポイントだよ」と突っ込んだ。

 終了後の会見で、歌丸は「泣くまいと思ったけど、放送が終わって、客席にあいさつした時、せきが切れて涙が出た。『笑点』は私にとって恩人。いつか収録を一番前で見たい。大喜利の歌丸では終わりたくないし、これから落語もやり続けるのは、あたしの責任。明日から、8月にやる予定の三遊亭円朝『江島屋怪談』の稽古を始めます」。

 新司会の昇太は立川談志さん、前田武彦さん、三波伸介さん、5代目三遊亭円楽さん、歌丸に続いて6代目。10年前にレギュラーとなった昇太はメンバーで一番後輩となる。担当プロデューサーが「メンバー1人1人をシミュレーションして、みんな回答者として必要。最後に残ったのが『若手大喜利』の司会もしていた昇太さん」と起用理由を話すと、昇太は「どうしようか悩んでいたけど、消去法と聞いて気が楽になった。伸び伸びできる。でも、メンバーみんなが先輩で、歴代司会史上初めて、回答者が上から目線」と話すと、歌丸は「全員同格と思わないといけないよ」とダメを出した。

 昇太の昇格で1人欠員となり、新メンバーは昇太の初司会となる29日の「笑点」生放送で発表される。