声優の小野賢章(27)が17日、都内の文化放送で行われた同局の定例社長会見に出席した。

 小野は会見で発表された、文化放送とオーディオブック配信サービスなどを行うオトバンクが合同制作するオーディオブック「のぼうの城」(27日から配信開始)に主演する。「映画化されていたのも知っていて、見させていただいた。作品がすごく面白くて若干、プレッシャーを感じながらも、一生懸命演じさせていただきました。収録は、あっという間に終わった印象です」と収録を振り返った。

 小野は劇中で、12年の映画で野村萬斎が演じた、成田長親を演じる。演じる上で、気を付けたことを聞かれると「時代劇なので言葉遣い、作中に出てくるキャラクターの名前は、どう読むんだろうというところから始まり、1つ1つの言葉の意味を調べるのに、とても時間がかかった。参考にさせていただいたのは映画版。野村萬斎さんが演じた成田長親が個性的で、どう自分の色、どう演じていくかを考えて楽しかった」と語った。

 実写版で同じ成田長親を演じた、野村萬斎の演技をどう参考にして、また差別化したかを聞かれると、次のように答えた。

 小野 映画を1回目に見た時、参考にしたよりも楽しんだ。野村萬斎さんの表情とか、感心することばかり。僕がやるに当たって、年齢もあって、野村萬斎さんに近づけるのは全然、違う。あの長親は僕にはできないもの。年齢に合った、さわやかなところ、僕自身が持っている若さを落とし込めたらいいなと思ってやりました。

 小野は幼少期から俳優として活動し、映画「ハリー・ポッター」シリーズ日本語吹き替え版のハリー役で声優としても活動を始めた。人気アニメ「黒子のバスケ」では、主人公黒子テツヤを演じて一躍、人気声優の仲間入りを果たした。オーディオブックは、声優や俳優とも、また違ったジャンルだが「映像があるわけでもなく、聴くことがメーン。自分の中で、どうせりふをイメージできるか。このキャラクターがどういう表情をし、どういう場面なのかを想像しやすいせりふは、どうなんだろうと考えました。アニメと吹き替えでは(演じる際に)映像が助けになる。それがない分、聴く方がイメージしやすい、せりふ回しは工夫しました」と語った。

 小野は、文化放送のインターネットラジオ・超! A&G+で放送中の「雲水の今晩どうしましょう!?」(金曜深夜1時半)に出演している。ラジオについての思いを聞かれると「ラジオは、割とパーソナルな部分が出やすいところ。世間的と言うか、フラットな自分の状態で、普段、思っていることを出せる場ではあるかな」と答えた。

 「のぼうの城」には、小野以外にも文化放送の番組に出演している、人気声優が出演する。超! A&G+「アニゲラ! ディドゥーーン!!!」(木曜午後9時)に出演する杉田智和が正木丹波守利英、同「千本木彩花・和多田美咲・赤尾ひかるのようこそ!グリーンハーベスト」(土曜午後4時半)に出演する千本木彩花が、甲斐姫を演じる。また松岡禎丞が石田三成役と、人気声優が顔をそろえる。

 文化放送では、リリース当日の27日午後4時から1時間、ナレーションを担当した声優の間島淳司と八木菜緒アナウンサーによる特番「超! A&G+スペシャル のぼうの城オーディオブック発売直前! のぼラジ!」を放送する。【村上幸将】