ゾンビ映画の巨匠として知られるジョージ・A・ロメロ監督が米国時間の16日、肺ガンで死去したことが明らかになった。77歳だった。

 長年、プロデューサーとしてパートナーを組んでいたピーター・グルンワルド氏がロサンゼルス・タイムズ紙に明かしたところによると、ロメロ監督は、肺ガンと闘っていたが、トロントで妻と娘にみとられ、安らかに息を引き取ったという。また、亡くなる直前まで、お気に入りの映画「静かなる男」(1952年)のテーマ曲を聴いていたという。

 ニューヨークのブロンクス出身のロメロ監督は2009年にカナダ国籍を取得して以来、カナダに在住。1968年に製作した映画「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」でカルト的な人気を得た後、世界的に大ヒットした代表作「ゾンビ」(78年)、「死霊のえじき」(85年)、「ランド・オブ・ザ・デッド」(05年)などの作品を送り出した。

 ホラー映画界の草分け的存在として知られ、ジョン・カーペンター監督やウェス・クレイヴン監督ら数多くの映画監督に影響を与えた。(ニューヨーク=鹿目直子)