欽ちゃんことタレント萩本欽一(76)主演のドキュメンタリー映画「We Love Television?」が3日、初日を迎え、都内で舞台あいさつが行われた。日本テレビ系「進め!電波少年」でプロデューサーを務めた土屋敏男氏(61)の映画監督デビュー作。

 土屋氏、共演の次長課長・河本準一(42)とともに登場した欽ちゃんは「舞台あいさつって初めて」と意外な告白。「よかったよ、お客さんが来てくれて。この映画に関しては、誰も来ないでって叫んでたからね。僕は、まだ見ていませんが」と話した。

 映画は「視聴率100%男」と言われたテレビ界のレジェンド、欽ちゃんに密着。視聴率30%を目指しての番組作り、欽ちゃんの知られざる素顔や、女優田中美佐子、河本らとの姿を映し出す。欽ちゃん自らが自宅で、カメラを回して自撮りした映像も映し出される。11年1月に土屋氏がアポなしで欽ちゃん宅に突撃して「視聴率30%を超える番組を作りましょう」と持ち掛けるところから始まる。

 欽ちゃんは撮影中、映画を撮っているとは思っていなかった。「僕の葬式で流すための映像だとばかり思っていた。ポスターを撮る段階で、初めて映画なんだと知った。『スタッフと作り上げました』なんて声を、よく聞くけど、この作品に関しては充実感もなく、出ている意識もないので、なんで舞台あいさつ来ているか分からない」と話した。

 強引に映画を作ってしまった土屋氏のことを、欽ちゃんは「本当に土屋って、ろくなことをしない。出た覚えがないのに、映画にしちゃった。でも、そういう無謀な、いい友達を持てた」。電波少年でアポなし取材の手法を作り上げた土屋氏は「無謀に関しては自信があります」と笑った。

 欽ちゃんの指名を受けて、視聴率30%番組に挑戦した河本は「僕も欽ちゃんと舞台をやるものだと思っていたら、映画に出ていました」。欽ちゃんは「なんで、映画に出てないのに河本が来てるんだろうと思った」。河本は「映画を見てないから、そんなことを言うんですよ」。土屋氏は「結構、重要な役どころで出演している。この映画に泣くところがあるとすれば、そこだけ」と笑った。

 写真撮影では3人そろって「欽ちゃん走り」を披露。よろける土屋氏を尻目に、欽ちゃんはストップモーションでも健在な足腰を見せた。欽ちゃんは「前に映画を作った時、手紙をくれた人に会いに行ったことがある。だから、この映画を見て手紙をくれた人の所には行くかもしれない。だけど、中身については触れないで」と笑った。