テレビ朝日系「モーニングショー」は27日、首都圏で起きている「女性専用車両」をめぐるトラブルについて取り上げ、ネット上でも議論が巻き起こっている。

 同番組は、今月16日に東京メトロ千代田線の霞ケ関駅付近で、女性専用車両に乗り込んだ男性客3人が女性客らともめる様子を撮影した映像をオンエア。男性らは女性客や駅員から降車するように要請されるも拒否し、電車の遅延を招いた。

 男性らは女性専用車両を「男性差別」だと主張する団体のメンバーだという。同団体の代表の男性がVTR出演し、男性が女性専用車両に乗車する正当性をあらためて主張。東京メトロ側も女性専用車両に男性が乗ってはいけないという制限はつけておらず、マナーのひとつとして協力を呼びかけているという。トラブルを起こそうという意図はないとしたが、5日後の22日にも京浜東北線で同様のトラブルが起きていた。この騒動を目撃した女性客は、男性客らが意図的にトラブルを起こそうとしているように見えたと語った。

 メインキャスターの羽鳥慎一は、男性たちの主張については「言ってることはわからなくもない」と一定の理解を示したが、その方法については「ここまでやります?っていうのが正直な印象。問題提起をすることは大事だし、あの乗り込んだ男の人たちの言うこともわからないでもないですけど、あれで乗ってる人が遅刻したらたまったもんじゃないから、あの主張の仕方はやめた方がいいんじゃないかな。方法が違うのかなと思う」とした。

 コメンテーターを務める弁護士の菅野朋子氏は「『女性 対 男性』になっているところが問題。あくまでも痴漢をする加害者が悪い。ほとんどの人たちは(痴漢を)しないのにその人たちを全部敵に回してしまっているところがひとつの問題になっている」と指摘。また、女性専用車両について「痴漢という犯罪を減らすという効果があるかというと、そこは疑問。ひとつの手段ではありますけど、これが根本的な手段になってはいけない」とした。

 一方で宇賀なつみアナウンサーは、「私の周りでも首都圏でこの(朝の出勤)時間帯に一度も痴漢に遭ったことない人って10人に1人くらい。ほとんどの人たちが一度は遭ってます」と実情を示し、女性専用車両については「そういう人たちが安心して電車に乗れるっていうだけで私はすごくありがたいと思った」とした。

 放送後、ネット上でも女性専用車両の是非について議論が繰り広げられ、ツイッターでは「♯モーニングショー」がトレンド入り。「女性専用車両を安全地帯とすれば、痴漢被害者側も冤罪(えんざい)被害者側もリスク減って円満なはずなのに わざわざ問題にしようとしてるのはどういう部類の人達?」「宇賀アナウンサーの主張とても正しいと思う。はっきり言ってくれてありがとう。女性専用車両を一番ありがたいと思っていたのは、学生の時。制服姿の女子学生は一番痴漢に狙われる。私も痴漢にあった」「女性専用車両を「逆差別」だと思ってる人が少なからずいるようですけど、電車の車両内で性的被害におびえる男性がどれだけいるの? 宇賀アナが言ってたようにほとんど女性が痴漢の被害を受けている。その女性の避難場所を設けることが『逆差別』ですか?」といった意見があった。