東宝「若大将」シリーズのヒロインなどで知られる女優の星由里子(ほし・ゆりこ、本名清水由里子=しみず・ゆりこ)さんが16日深夜、心房細動および肺がんのため、京都市内の病院で死去した。74歳だった。葬儀・告別式は家族葬で行う予定。関係者によると、今年3月まで新作映画の撮影など、女優としての仕事をしていた。

 58年に東宝に入り、芸能活動をスタートさせた。当時のキャッチフレーズは「八重歯のシンデレラ」。59年「すずかけの散歩道」で映画デビューを果たし、その後は浜美枝、田村奈巳と「東宝スリーペット」として売り出された。

 61年にスタートした加山雄三(81)主演の映画「若大将」シリーズのヒロイン、澄子役に起用され、国民的スターとなった。美貌と清楚(せいそ)な魅力を生かし、その後も、68年「忘れるものか」で石原裕次郎さん、69年に「日本侠客伝 花と籠」で高倉健さんと共演するなど銀幕で活躍を続けた。

 90年代に入ると、活躍の場をテレビや舞台に広げた。97年NHK連続テレビ小説「あぐり」や、最近では16年にテレビ朝日系「ドクターX~外科医・大門未知子~」にも出演していた。

 私生活では、69年に実業家横井英樹さんの長男と結婚したが、わずか3カ月で離婚。75年に脚本家花登筐(はなと・こばこ)さんと再婚したが83年に死別。90年に会社役員と結婚した。