南沙良(16)と蒔田彩珠(あじゅ=15)が14日、都内で、初主演にしてダブル主演の映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(湯浅弘章監督)の初日舞台あいさつに登壇した。

 それぞれ、吃音(きつおん)に悩む女子高生の志乃、音痴でコミュニケーションが苦手な同級生の加代を演じた。空気の読めない男子高校生役で、萩原利久(19)も出演。思春期ならではの苦悩や葛藤を描いた。

 南は「原作を読むまで、吃音(きつおん)の存在を知らなかった。吃音(きつおん)の方にお話を伺って、理解を深めるところから始めました」と、役作りを振り返った。そのかいあってか、劇中では難しい役を見事に演じきった。原作者の押見修造氏は、「南さんの涙の演技がすばらしい」と絶賛。「皆さんが生き生きとしていて、すばらしい映画。ドキュメンタリーのようで感動的でした。100点です」と拍手をおくった。

 南はさらに、「自分の中にたくさんコンプレックスやいやなところがあって、今まではどうやって排除するかばかり考えていたけれど、この作品に出会えて、どう嫌な部分と向き合って居場所を見つけてあげるかが大切だと気がつきました」と、作品を通して成長した様子。

 蒔田は「学生の方は共感できて、大人の方にはなつかしく思える映画です」、萩原は「高1にしかないエネルギーが伝われば」と話した。