黒沢明監督の名作「羅生門」「七人の侍」などを手掛けた日本を代表する脚本家、橋本忍(はしもと・しのぶ)さんが19日午前9時26分、肺炎のため東京・世田谷区の自宅で死去した。100歳。日本映画の黄金期を支え、08年には「私は貝になりたい」の再映画化で半世紀ぶりに脚本をリライトするなど、息長く活躍した。

 ▼映画「切腹」「上意討ち」などに出演した俳優仲代達矢(85) 俳優人生の中で、「切腹」をはじめとして、橋本さんの数多くの作品に出演させていただきました。今日まで俳優としてあるのも、橋本さんのおかげです。日本映画が世界的に評価されるようになったのは、橋本さんの功績によるところが大きいと思います。心からお悔やみ申し上げます。

 ▼映画「八甲田山」の撮影を担当した木村大作氏(79) 「八甲田山」に参加できたことで今も映画作りにまい進しています。人生で一番恩を受けた作品であり、橋本忍さんに感謝しています。それが初監督作品「劔岳 点の記」につながっています。