東出昌大(30)が主演し、カンヌ映画祭コンペ部門にも出品された映画「寝ても覚めても」(浜口竜介監督)が1日、公開初日を迎え、東京・テアトル新宿で出演者らが舞台あいさつを行った。

東出が一人二役で演じる同じ顔をした別の男性、麦(ばく)と亮平の間で揺れ動く女性の物語。ヒロイン朝子は「ソニー損保」のCMで注目を集めた唐田えりか(20)が務めた。

今作で本格演技デビューした唐田は「昨日の夜はクランクインの前日より緊張しました。泣きそう!」と涙を浮かべながら話した。

朝子は麦と交際していたが、麦はある日、出かけたまま帰ってくることはなかった。数年後、朝子は麦にそっくりな亮平に出会い、交際を始める。そんな折、モデルとして活躍する麦にばったり出くわす。

朝子がどんな道を選ぶのか。その結末に、カンヌに集った各国記者からはさまざまな意見が寄せられたという。東出は「(ヒロインがとった行動に)『フランス人だったらあんなに男は怒らない』とか『この映画はホラーなのか』とか言われました」。

麦と亮平どちらに近いか聞かれると「麦ですね」。会場は微妙な反応だったが、共演の瀬戸康史(30)は「カリスマ性があるっていうか、宇宙人的なところがある」。共演の渡辺大知(28)も「危なっかしさ、どう出るか分からない感じは麦感がある。探求心をそそられる」と加勢し、東出は「変な汗かいてきた」と苦笑いしていた。

瀬戸は麦のような女性に悩まされた過去があることを明かし「初めてお付き合いした彼女が、中2から高1まで付き合っていたけど、本能が赴くままに行動する子で、ふられました。壁をたたいて『神様、なぜこんな仕打ちを!』ってやりました」となつかしそうに振り返った。

共演の山下リオ(25)伊藤沙莉(24)原作の柴崎友香氏も登壇。柴崎氏は「すばらしい映画が生まれてとてもうれしい。思い浮かべていた麦と亮平がスクリーンに現れた感じ」と東出の演技を絶賛していた。