落語家桂文珍(70)が20日、大阪市中央区の大阪国際がんセンターで「わろてまえ劇場2018」に出演し、思わぬ“綱渡り大移動”を明かした。

がん患者の免疫機能や生活の質などに、「笑い」が与える影響を検証する研究を実践すべく、昨年から行われている寄席公演の第2弾。文珍は、古典「粗忽長屋(そこつながや)」のマクラで、いきなり「情けない…」とつぶやき、危うくダブルブッキングになりかけた話を始めた。

前日19日、笑福亭鶴瓶、桂南光と東京港区で3人会を行い、当初のスケジュールではこの日が大阪、明日は名古屋市内で落語会に出演予定だった。

しかし、マネジャーの勘違いでこの日、北海道網走郡美幌町で落語会への出演があったことが発覚。この日の高座では、午後2時30分頃から約30分の出番中に「(午後)3時50分の飛行機に乗らないかんのです」。こうボヤキながら「あんまりゆっくりはできない」と言い、笑わせた。

続けて「交通の便がいいおかげで、大変な思いを。私が病気になりそう。そないして、人はダメになっていくんですね」と、3日間で約3000キロの大移動をネタに会場を沸かせた。

それでも優しい笑顔で「皆さんが笑いはったら、皆さんの笑顔が私の免疫力を高めてくれる」と語りかけた。

小話では、とんちの効いたネタで会場の反応を確認。笑いが遅れてくる場面では「ボーっと生きてんじゃねえよ」。今年の流行語大賞トップ10にも入ったNHKの人気キャラ、チコちゃんの名ゼリフで拍手を浴びていた。

この日は、なすなかにし、もりやすバンバンビガロも出演した。