105周年を迎えた宝塚歌劇団の新年第1作の星組公演「霧深きエルベのほとり」「ESTRELLAS~星たち~」が1日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。

芝居「霧深き-」は、戦後日本ミュージカルの草分けで、「君の名は」シリーズなどを手がけた菊田一夫氏の作。初演63年の内重(うちのえ)のぼる以降、古城(こしろ)都(73年)順みつき(83年)が主演し、36年ぶりの再演となった。

星組トップ紅(くれない)ゆずるが、情に厚い船乗りカールにふんし、帰港した際に、家出をしてきた名家の令嬢マルギットと運命的な出会いを経て、恋に落ちる。トップ娘役の綺咲愛里(きさき・あいり)演じるマルギットとは、家柄、育ちが違い、悩みを深めていく様を描く。

紅は、温かい人情味をべらんめえ口調の荒々しさの中に隠した設定に「強いて言うなら(男はつらいよシリーズの)寅さん」と表現し、役作りを重ねてきた。

大阪出身でしゃべりが得意、口数も多い紅自身も、内面は繊細さを秘める。内側から「二枚目」を醸し出す主人公を的確に提示した。

令嬢マルギットの婚約者は礼真琴(れい・まこと)が好演。主人公の船乗り仲間には、今作で退団する人気スター七海(ななみ)ひろきがふんし、「海の男」のたたずまいを、入団16年の集大成として披露している。

星組は、劇団創設100周年だった14年も、1月に本拠地作を上演しており、105周年の今年も節目イヤーの皮切り作に臨むことになった。

100周年時は、2番手スターとして、当時星組トップの柚希礼音(ゆずき・れおん)を支えた紅は「宝塚歌劇105周年の幕開け。世の中が明るくなるエンターテインメントをお届けできれば」と言い、公演のスタートを切った。

兵庫・宝塚大劇場は2月4日まで。東京宝塚劇場は2月15日~3月24日。